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初めてのすれ違い⑤ 沙織視点
「ちょっとコーヒーを淹れてきます」
ちょっと眠たげに小さくあくびをしながら
佐藤くんはコーヒーを淹れにいった。
「……うん」
寝具、デスクにパソコン、服の入ったクローゼットといった最低限の家具。
(来てしまった……)
部屋に漂う佐藤くんの匂い。
(うわぁぁぁ!!)
佐藤くんの部屋に
(来てしまった!)
はわわって緊張してたら
「お待たせしました」
いつのまにか佐藤くんが目の前にいた。
「どうぞ」
「ありがとうございます!」
そう言って佐藤くんが入れてくれたコーヒーを受けとると、緊張からか慌てて飲んでしまった。湯気のたちのぼるコーヒーを。
「あっつ!」
結果、床にコーヒーをこぼすというやらかしをしてしまった。
「大丈夫ですか!」
佐藤くんは慌ててティッシュで拭いてくれた。
「あはは」
正直、緊張のしすぎで頭がぐるぐる回っていたのでなんて返事したのか覚えていない。その後、
「どうぞ」
佐藤くんが代わりのコーヒーを淹れてきてくれた。
「……」
しかしそれ以降もうドキドキで。なにを話したらいいかわからなかった。そうしていると
「それで今日はどうしたんですか?」
って佐藤くんが聞いてきてくれたからわたしは、
「き、今日来たのは」
意を決して口を開いた。




