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泣いた父親

作者: GONJI

8月に入りました!

8月最初の日が今週の週末!

そろそろ暑さも嫌になってきました

早く涼しくなれ(まだ早すぎる願いか・・・)

皆様くれぐれも暑さ対策に怠り有りませんように

来週もよろしくお願いいたします!

8月に入りお盆も近づいてきました

この国では暦が変わりましたからね

2025年の新盆は7月13日から16日で旧盆が8月13日から16日だそうです

私の住む大阪では旧盆の8月にお盆を迎える家も多いのです

我が家では年4回行く墓参りのうちの第2回目がお盆です


そしてお盆と言えば故人を偲ぶのですが、私の亡き父親は・・・もう何年経つのだろう

確か1月17日の阪神淡路大震災追悼の日に言っていたはずやけど・・・

前にも書きましたが、阪神淡路大震災が起こったその年の7月15日が父親の命日なのですね・・・

え~と・・・1995年か・・・そうかもう30年も経つのですね

と、毎年1月17日に経過年数をマスコミから教えてもらうのです


父は大阪府堺市生まれで包丁鍛冶屋職人の息子で生業も後を継いで包丁鍛冶屋職人でした

正真正銘の包丁鍛冶屋職人で、父の作る手打ち包丁はそれはよく切れました

この技術を私は一切引き継いでおりません

それどころか、私が包丁を砥ぐとまったく切れ無くなるという・・・笑

その代わりギター弾きとしての職人魂は先祖代々の分を引き継いでいます


父は長男で、小学生の時から祖父にしごかれて育ったようです

今では虐待か?なんてね・・・昔の職人と言うのはそういうものだったのです

父は読書が好きで、浪曲が好きで・・・子供の頃にはなかなかできなかったそうです

なので、息子の私にはそんな目には合わせたくないという、何不自由のない育て方をしてくれて、まるで友人のように育ってきました


父は第二次世界大戦の時に徴兵されています

ただ、明日から外地へ赴くと言う時に、終戦になったそうです

命懸けでやるかやられるかを体験しなくてすんだ

幸運としか言いようがない


父は姉、6人の弟、妹という昔ながらの大人数の9人兄弟姉妹です

大阪に住んでいたので、食べ物にほんと困ったそうです

芋の蔓とか食事で普通に食べていたそうです

年老いてからも白ごはんを見るとほんと喜んでいましたが味にもうるさかった

トラウマから美味しい白ごはんをお腹いっぱい食べるのが夢だったようです

私が健康のためにと麦ごはんを炊いたら、涙を流して嫌がったのにはびっくりしました

そんな父の一面もあるんだ!と・・・


これが父親が泣いたのを見た初体験でしたが、今回はこの話ではなく・・・


昔は終戦記念日が近づくとこれがテレビから流れてきました

毎年のように流れてきました

名作です


私が父と母との晩御飯の時に、初めてこの番組を流した時

父は「なんや!漫画か?」と言いました

母も「漫画なんか見るの?」と言いました

私は「これは漫画であっても漫画ではない」と言いました


物語が始まると、父も母もどんどん引き込まれていくのが解りました

悲壮・悲惨なシーンには眉をひそめて

これは私の持つこの漫画への想いとは、全然違う想いを持ってみていたんだろうなぁと思います

どんどん話が展開しながら進む・・・


クライマックスを迎えようとする時、この漫画の主人公の小さな女の子が栄養失調と感染症で亡くなってしまう・・・


そのシーンに父は、ぼろぼろ涙を流しながら「女の子が可哀想や~!」叫びました

そんな父の姿を見たのは生まれて初めてでした

その姿を未だに覚えています


その漫画・・・今ではアニメと言うんですかね

数年、放映されていませんでした


そしてそれがあのジ〇リさんの作品だったとは・・・

戦後80年経ち、今年は放映されるそうですね


まさに、その作品と同じ時代をリアルタイムに生きた私の父母、特に父は大阪と言う焼野原の生活を経験しています


父は想い出したくもなかったかもしれないけれど・・・戦後生まれの私は「そんな悲惨なことがあったんだ!」と後世へ伝えないとね


あのドロップの四角い缶を見ると私はしみじみと父の涙と叫びを思い出すのです



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