接触〜シモン〜
疑問に思ったことがある。
「仁さんそのポスター、本当にモイラが貼ったんでしょうか?だって今まで遺体にはなんの痕跡も残されていなかったんですよ、なのにいきなりポスターから指紋が」
「俺もそう思う、でもな、今俺たちはヒントはなんでも欲しいんだ」
そういう仁さんは唇を噛んでいる。あえて何も聞かないでおこう。そう決めて車に乗った。
※
ポスターに着いていた指紋を調べてた結果、都内在住の男子大学生だと判明。駅の近くのアパートに住んでいことが分かっている。浜崎 渉
私たちがインターフォンをならすと10秒ほどで出てきて、「ハイ?どちら様?」と聞いてきた。
私たちは警察手帳を見せる、その途端、渉の顔が青ざめる、次にポスターのことを話すと膝を落とし、土下座をした。
「すいませんでした!やはり、やっぱり、やめておけば良かった」
この人がモイラなのかと思ったら、以外な言葉が続く。
「変な、変なバイトなんてしなければ良かったッ!」
何?これで疑問が解けた。モイラはSNSなどで一般人も使っているんだ。
「なんか、SNSいじってたら、ポスターを貼ってくるだけで一万が貰えるって」
聞けば、そのバイトを受けたら、ある公園を指定され、行けば紙袋が置かれていた、中にポスターが入っていて、それを本屋に貼り、その写真をモイラと思わしき人物に送り、公園に戻ると一万円札が入った袋が置かれていた。
と言うことだった。
「いちよう、その送り主のアカウント見してくれるかい?」
「は、ハイ」と渉はスマホをスクロールさせるも虚どりながら「あれ、?あれ?」と焦る。渉は私たちにスマホを見せつけるとそこには「このアカウントは存在しません。」と映っている。
「やっぱり、使い捨てのアカウントですね」
おそらく、これで捜査は0から動いていない、そう考えたとき、電話がかかり、仁さんが出る。
『アカサカリョウという人物が見つかりました、現在〇〇区在住、45歳、前科があります』
決まりだ、この人はモイラに殺される可能性が高い。