『速記者とライオン』
速記者がライオンを連れて旅に出ました。道々、お互いの自慢をしながら行きました。例えば、速記者は、ライオンが吠えた声も速記できるとか、ライオンは、速記者と非速記者を目をつぶりながら食べて識別できるとか、たわいもない話です。
ある町で、速記者がライオンを刺し殺そうと、プレスマンを振りかぶった像が建っていました。それを見て速記者はライオンに、どうだ見たか、ライオンより速記者のほうが強いというあかしじゃないか、といばりました。
それを聞いたライオンは、速記者が強いのではなくて、プレスマンが強いのではないでしょうかね、と言い返しました。
教訓:このライオンは、目をつぶって食べた人間が、速記者であるか非速記者であるかを、最後にプレスマンが口に残るかで識別できたという。