第8話 宇治にて① 平等院を求めて(迷走)
宇治駅に到着しました。何か思ってたよりも寂れてる?
平日と言うこともあるのでしょうが、何となく観光客も少なく、寂しい感じです。
ま、とにかく、平等院方面を目指せば何かあるだろう。
そんなことを考えて、ガイドブックのおさらいもせずに、適当に歩き始めたのが運の尽きです。
行こうかと思っていた『中村藤吉本店』には、全く気付かずに通り過ぎ、それでいて『抹茶スイーツ』ばかりが頭にあるから、開いている普通の飲食店は、イメージが違って入る気がしない。
そんな感じで何も口にすることができず、しかし、平等院は近づいてきます。
そして、2車線の道路を跨いで立つ、立派な鳥居が見えました。
やった! もうすぐだ! とりあえず、平等院の参道なら茶店ぐらいあるだろ! そこで何か食おう!
そう思った私は、さらに痛恨のミスを犯します。
「鳥居をくぐった先が平等院の参道だ!」
こう考えて、鳥居をくぐる方向へ曲がってしまったのです。
さて、そもそも鳥居はどこに建てるものでしょうか?
神社の入口ですよね。
では、『平等院』って何でしょうか?
そう、平等院は神社ではありません。寺院です。
つまり、この鳥居は、平等院の入口ではなかったんです(※県神社の鳥居)。
私はずんずん進みますが、観光客が自然に入れそうな飲食店は見当たりません。あっても客が誰もいないので、入店を躊躇してしまいます(小心者)。
徐々に観光地らしさが失われていく様を見て、「流石におかしい!」と思った私は、交差点のそばにあった神社(※県神社w)でガイドブックを開き、そして脱力しました。
賑やかな平等院の表参道とは1本ずれた道(※しかも徐々に離れていくw)を通り、どう見ても賑やかには見えない裏手の方に向かっていたのです。
……知らない所をうろ覚えで歩くとダメですね。
幸い、平等院には裏口(南口)もありました。この交差点を左に曲がれば200mちょっとのようですので、ロスは最小限に抑えられそうです。これは不幸中の幸いでした。
ちなみに、宇治駅から平等院へ続くメインルートは、昭和の商店街みたいでした。
活気もあって、なかなか良い雰囲気でしたので、今度は、気持ちとお腹に余裕があるときに行ってみたいです(笑)
さて、平等院(拝観料600円)です。
言わずと知れた世界遺産で、10円玉の表に描かれた鳳凰堂でも知られています。
摂政藤原頼通(※道長の息子)が建てた寺院で、中学校の歴史で出てきますから、知らない人はいないんじゃないでしょうか。
実は、私、京都は何度も来てますが、平等院に来るのは高校の修学旅行以来になります。
ちなみに、そのときの感想は、
「奈良の寺院ほど雄大さは感じないし、洛中の寺院ほど侘び寂びも感じない。池の水も濁った感じがするし、ちょっと残念な感じ?」というものでした(失礼!)。
こんな印象だったので、今まで完全にスルーしてきたんですが、
「数年前に大改修されたそうだし、大人になったから、ちょっとは違うことを感じるかな?」
こう考えてついでに立ち寄ってみました。
南門から敷地に入ると、まず、右手に新しい建物が見えます。これは『鳳翔館』という博物館(宝物館?)でした。この『鳳翔館』、寺社の宝物館には珍しく無料で入館できます。無料!? これは行かない手はありません!
そんなセコい考えのもと、向かったのですが、建物はそばにあるのに、入口までが意外に遠い。空腹も相まって、この大回り時間は、けっこうイライラしました。
こんなことで、入口に着いたときには、かなりテンションが落ちていたのですが、中に入ると無料とは思えない充実ぶり、流石は平等院です。
そこそこ時間を掛けて鳳翔館の所蔵品を堪能し、次は鳳凰堂に向かいます。
鳳凰堂の内部拝観受付(拝観料300円)に行くと、
「今受付しているのは13時50分からの見学です。いかがなさいますか?」
と受付のお姉さん。
時計を見ると、現在時刻は13時20分。既に数名並んでいる方もいらっしゃいますが、この空腹状態で、30分もかけて並びたくはありません。『断念』一択です。
でも、せっかく来たので、10円玉に描かれた鳳凰堂の姿ぐらいはじっくり見ることにします。
鳳凰堂の正面に立つと、阿字池越しに見る鳳凰堂は、記憶よりだいぶ綺麗になっていました。でも、曇っていたため、中央のご本尊は見えず、風もあったため、池に映る姿もぼやけていましたが。
全てを終えた結論。「平等院、なかなか良いね!」です。
が、残念なことに、心振るわせる感動はありませんでした。鳳凰堂の内部見学はしませんでしたから、鳳凰堂の中まで見たらちょっとは違ったのかもしれません。
またしばらくは行かなくても大丈夫かな? 今はこう思ってます。




