第2話 京都着。そして嵯峨野へ
8時40分。無事新幹線は京都駅にホーム滑り込みました。
途中の車窓ですか? この日は、曇り空。せっかく窓際のE席が取れた(※奇跡的に1つだけ空いてた)のに、富士山は裾野しか見えませんでした。その後は、半分寝ていましたので、特筆することは何にもありません。
そんなことよりも、ここ、京都駅が、本日最大の勝負ポイントです。気合いを入れねばなりません。
何があるの? ですか?
新幹線が着くのは8時40分。山陰線園部行きの発車時刻は8時45分です。間は5分。ギリギリもいいところです。しかし、1本電車が遅れると、観光地の混み具合が変わってくることもありますから、特に紅葉シーズンは馬鹿にはできません。
京都到着ちょっと前にドアの前に立ち、開いた瞬間に飛び出して、階段を駆け下り、乗り換え口を出て、連絡通路を端から端まで小走りで進むのです。
これで終わりならよかったんですが、なぜか、京都駅の山陰線ホームは、階段を下ってさらに奥の奥、変に外れたところにあります。ですから、ホームに降りてからまたダッシュです。
走って走って、電車が見えてきました。普通列車『園部行き』の発車のベルはまだ鳴っていません。
間に合いました。
素人さんならここで歩き始めるところですが、私のようなベテランになると、まだまだ足を緩めたりはしません。もっと前に進むのです。なぜなら、入り口に近い手前側は客が多く、満員電車状態になるからです。
2/3ぐらいのところまで来て、発車のベルが鳴り始めましたので、電車に乗り込みます。ラッキー! 空席がありました! どうやら、今回の勝負は大勝利だったようです。
荒い息を吐き、周りの乗客のから奇異の目で見られながら、私は座席に吸い込まれ、それと相前後して、列車は西に向けて走り始めるのでした。