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シャフツベリの仕立て屋  作者: アサミズ
シャフツベリ候
10/21

 穏やかな昼下がり、店鋪の作業台で鳩目打ちをしているシャノンの手許を興味深気に見遣りながら、グウェンドリンが小首を傾げる。

「シャナって、銀は使わないね」

 うん? と訝しく顔をあげると、彼女は思いの外手際良く、ブラシエールのボーンを差し込んでいた。

 この特製ブラシエールは最終調整以降、製造販売の全てを専門の別業者へ託している。今回も同様に、一度はそちらへ回そうかと考えたのだが、依頼者が依頼者だけに自分で作ることにしたのだ。なので、生地の質も段違いである。

 それを何故グウェンドリンが組み立てているのかというと、フィデルを通じての仕事云々とぼやいた結果、「助けてもらったし、手伝えることならなんでも言って」と請け負ってくれたのである。持つべきものは、気の優しくて義理堅い友人だ。

 御蔭様で店の方も、暫くは臨時休業を余儀なくされている。とはいえ、そう頻繁に客が訪れるわけではないけれど。

 閑話休題。

 その義理堅い友人は、作業台に置かれた小箱を一瞥し、背後の棚を見上げた。

「それも、真鍮色でしょう? 大体、それか金だよね、金具」

 あぁ、と曖昧に頷いて、シャノンはちょっと眉をひそめる。

「俺、銀色って好きじゃなかったんだよね。それで自然と避けるんじゃないの」

「好きじゃなかった、なの? 今はそうでもないのかな」

「んん、やっぱり、使おうとはまだ思えないけど」

 最後の鳩目を打ち込んで、専用の小さな金槌を置いた。この鳩目は、ハイウエストスカートの背面に施した、編み上げの装飾用だ。絞めるのならもっと丈夫な金具をがっちり留めるが、ただの飾りなので問題はないだろう。編み上げの下はばっくり割れていて、ここからアンダースカートが見えるようにしてある。

 きょとりと瞬くグウェンドリンの目は、今日も銀の虹彩が慎ましく輝いている。

「グウェンの目、好きなんだよね。銀色がきらきらしてて奇麗」

「え、わたしの目?」

「そういう感じの金具あるなら使いたい。きらきら光が散るようなの」

 えええ、と意外そうに呟いて、グウェンドリンは最後のボーンを差し込んだ。

「そんなこと、初めて言われた。故郷では色がないってよく言われてたもの」

「何処がだよ。目は灰緑だし、唇奇麗な珊瑚色だし。色白だから何色着せても奇麗に映えるし。俺にしてみたら良い素材だよ」

 手早く鳩目にかけるのは、紐ではなく幅広のレース。地色に合わせて染めてあるが、さり気なく存在感が出るだろう。結び目を奇麗に整えて、全体を一瞥する。

「さて、と。グウェン、これちょっと穿いてみて」

 わかった、とブラシエールを置いて席を立つ。そうして、手渡したカバースカートをしげしげと眺めて、うっとりとため息をついた。

「この段階で、もう可愛い……」

「それはどうも。いやぁ、グウェンと殆ど寸法一緒で助かったよ」

「役に立ててるようで良かった」

 ちょっと待っててね、と彼女が試着室へスカートを抱えて入っていくと、シャノンはぐっと伸びをしてブラシエールへ手を伸ばす。上からはカタカタと足踏みミシンの音が聞こえており、あちらも順調のようだ。

 裾を纏るような直線の単純作業ならば、自動人形(オートマタ)が正確に仕上げてくれる。元々優秀な女中(サーヴァント)ではあったが、ますます万能になっていく辺り、末恐ろしい。

 この素晴らしい機能も、社交期(シーズン)用ドレスを一人で仕上げ、すっかり疲れ果てていたシャノンを見兼ねたらしいバルドが、先日の調整の折に搭載してくれたのだ。

 これだけでも出来たら楽になるだろう? と無邪気に言ってくれた友人に、殆ど拝むような勢いで感謝を告げたのは記憶に新しい。

 シャノンが作るペティコートは、殆ど嵩のあるサーキュラーなので、纏るだけでも長大な距離なのだ。仕方ないではないか、その方が奇麗に広がってくれるのだから。これだけは譲れない。

「お待たせ。こうでいいの?」

 ブラシエールの仕上げを始めて間もなく、ひょっこり試着室から顔を出したグウェンドリンが、小走りにシャノンの前までやってくる。そうして、くるりと回ってみせた。

 今、彼女が身に着けているペティコートも、大体同じくらいの嵩がある。ふんわりと広がるカバースカートは、身長差を差し引いても丈は良さそうだ。後ろから流れるドレープも完璧。裾のフリルも奇麗に出ている。

「穿いてみてどう? きつくない?」

「少し余裕がある感じかな? 見た目のわりに楽だよ」

 手にしていた物をまとめて作業台へ置きながら立ち上がり、断って腰回りを確かめる。

 コルセットのようにボーンが入っているわけではないが、硬めの芯が仕込んであり、奇麗に立ち上がるようにしてあるのだ。膝を抱えて座る癖のあるグウェンドリンには採用できない型ではあるが、アデライン殿下なら問題ないだろう。

「うん、これは完成。有難う、着替えていいよ」

「あとは?」

「ペティコートの仕上げはアマリアがやってくれてるから、ドレスシャツと上着だな。どっちも裁断は終わってるから、縫うだけ」

 ミシンが空くまでは、マーシャルとラッセルの依頼の仕上げをしていればいいだろう。こうして分担できるだけでも相当助かる。

 グウェンドリンが着替えている間に手早くブラシエールの始末をしてしまうと、返されたカバースカートとまとめて作業台へ置く。

「他に手伝えることはある?」

「んー、有難う、もうないよ。あ、お茶淹れてもらってもいい?」

「わかった。淹れたら休憩にしよう」

 頼むね、とひらり手を振って、シャノンは戸棚からシャツとボタン箱を取り出す。二人のシャツは既に縫い上がっており、後はボタンをつけるだけなのだ。選んだのは白蝶貝の薄い物で、丁寧に仕上げられたそれは、片手でも留めやすい。

 ラッセルは殆ど腕まくりしているから、カフスは短かめでボタンは一つ。今回は涼し気な薄青の、縦縞の生地を選んでみた。襟はワイドだが、タイが締められることはないだろう。緩くボタン一つ、二つ外しても様になるように調整してある。

 対してマーシャルは長めのカフスで、ボタンは二つ。こちらは、ウエストコートが引き立つように白だ。襟はレギュラーだが、ボタンダウン。徹底的に洒落させてみた結果である。マーシャルは洒落者だから、良いタイもたくさん持っていそうだ。

 鼻歌を歌いながらボタンを付けていると、ふわりと良い香りが鼻先に届く。

 どうやら淹れているのは、手土産に持ってきてくれたハーブティのようだ。彼女のハーブティはフレッシュハーブを使うため、爽やかで気分転換には丁度良いし、女性らしい気遣いは目に楽しい。

 入ったよ、と声をかけられ作業に区切りをつけると、シャノンは席を立った。

 迫持の向こう側、整えられた円卓の上には、目に鮮やかなフレッシュハーブと花々、果物が沈んだ硝子サーバーと、一緒に持ち込んでくれたスコーンが置かれている。用意されたクロテッドクリームとジャムは、通り向こうの評判の店のものだ。

「有難う。小腹空いたー」

「お疲れさま。今日はアイブライトとスカルキャップ、レモンバームにしてみたんだけど」

「あぁ、疲れ目とストレス緩和?」

 席に着きながら相槌を打つと、グウェンドリンは頷く。

「ここのところ、ずっと根を詰めてるからね」

 シャノンへ淡い水色のハーブティを供して、彼女はこくりと首を傾げた。

「シャナって、薬草も詳しいの?」

「んー、前いた国が結構ハーブティ飲むとこで」

 何となく覚えた、と有難くカップへ手を伸ばす。あの頃は自分でも淹れていたのだが、グウェンドリンには敵わない。こんなところを見ても、やはり彼女は立派に魔女なのだろう。

「へぇ、そうか。あちこちで色々な経験を積むのって、良いかもしれないなぁ。何処かにあるっていう、世界中の記録を集めた図書館へも行ってみたいんだよね」

「あ、やめて。折角の魔女様が街を出たなんてことになったら、フィデルに怒られそう」

 愉し気に笑うグウェンドリンがスコーンをぽくりと割って、ジャムを塗り付けた。螺旋階段の上からは、カタカタと心地よくミシンの音が響いている。

 このところ、シャノンの耳には何の続報も入ってこない。単純に何も起きていないのかもしれないし、もしかしたら意図的に遠ざけられているのかもしれない。

 本当に、見知らぬ何者かがシャノンを引きずり出そうと考えているのなら、それはフィデルにとっても由々しき事態となるだろう。

 当時の混乱を利用して逃げ出したシャノンを巧く隠してくれたのは、彼と現シャフツベリ氏族長(チーフテン)だった。今更その責を問われるとは思わないが、あまり面白くない事態になる可能性もある。場合によっては、住処を移す必要もありそうだ。なかなか住み良い街なので、少々惜しいような気もするけれど。

 オルグレンは食べ物も美味いんだよなぁ、と。ぼんやり考えながらクリームを雑に乗せ、口の中でほろほろと崩れるスコーンを頬張った。

 ここへ流れ着いて、一番に驚いたところはそこだった。こうした庶民層にまで良質な食物が流通しており、最低限手に入る食料ですら、水増しや嵩増しが見られない。

 こうしたことは世界的にも珍しく、技術産業の発展した都市部であるほど、貧富の格差が重くのしかかっているのだ。だというのに、この街に住むヒトビトは、それぞれ真っ当に働いて、相応の対価をきちんと得ている。

 巧く治めているものだと、いつだか感心頻りで零れた言葉に、珍しくフィデルがはにかんだのが、大層意外なことだった。

 おまえにそう言ってもらえたのなら、漸く一息つけるよ。

 その一言が、どうやら随分昔にシャノン自身が言ったことに起因していたらしいと知ったのは、後々氏族長が愉快そうに語ってくれたからだった。

 シャノンが一線を退いて久しいのだし、こだわることもないと思うのだが。泣く子も黙る竜族(ドラゴン)の若様が、たかが人間の一言に振り回されていたというのも、なんだか可笑しい。

「……なんか、変な感じ」

 ぽつりと零れた呟きに、グウェンドリンが小首を傾げた。

「なにかあった?」

「いや。もう金輪際、王室には関わらないぞ! て仕事辞めたはずなのになー、て」

 あぁ、と納得したように相槌を打って、苦笑する。

 もう二度と、彼らと関わることはないのだろうと思っていた。そのつもりで、姿を暗ませたのだ。それが結局、こうして世話になっている。

 あの頃の自分は、もう死んだ。ここにいるのは、ただの仕立て屋だ。亡霊を呼び起こすようなことだけは、何人たりともしてほしくない。

「アデライン殿下って、どんな方?」

「可愛らしい感じの人だったよ。あれで未来の賢王と言われてるっていうんだから、人は見掛けによらないよねぇ」

「御成婚してから、王位を継がれるんだっけ?」

「フィデル曰く、はよ結婚して曾孫見せてくれって、陛下がせっついてるらしい」

 現国王陛下もそろそろ高齢であり、激務も相当負担なのだろう。今は殿下も肩代わりして学んでいる最中だと言うが、当人が納得していないらしく、婚礼も延び延びになっているのだそうだ。

 これも、アデライン殿下の父君である、本来の王位継承権第一位を保持していた王子が、病で早世してしまった所為である。身重で寡婦となってしまった妃殿下も、産後の肥立ちが悪く、そのまま亡くなったらしい。

 当時は、生まれ落ちて間もなく二親を亡くした姫君を憐れむでなく、王家に連なる公爵家の何処からか養子を、と言う冷めた声も、幾らか貴族たちから聞かれたそうだ。

 しかし陛下は、それらをのらりくらりと躱し続け、最も古く、由緒あるサリスベリー公爵家へ孫娘を預けて養育させたらしい。そうして姫が年頃になったある日、彼女を跡継ぎに指名した。これには、誰にも異論は唱えなかったという。

「殿下自身の聡明さも然ることながら、初代女王に生き写しだったというのが一番大きいのかもね」

「初代っていうと、ヴィクトリア女王?」

「だから、殿下もミドルネームで受け継いでるんだってさ。序でにトラヴィス卿は、初代サリスベリー公爵の、王弟クレメント・カヴァデイルの名前貰ってるらしい」

「詳しいね?」

「フィデルに聞いた」

 幼い頃から二人はフィデルに懐いていたようで、王都へ出掛けると自然と相手をさせられていたらしい。

 子守りをする黒竜。珍事である。

 そんなことを面と向かって言えば、おまえは私をなんだと思っているんだ、と渋い顔をされそうだが。

「本当にシャフツベリ卿と親しいんだね。最初に聞かされた時は驚いたけど」

「フィデルが押し掛けたんだって?」

「労っていただけたよ。気さくな方だね」

「昔は尖ってたけどねー」

 そうなの、と意外そうに目を瞬かせるグウェンドリンに、ハーブティを飲みながら頷いてみせる。

 出会った頃の若様は、なかなかの純度培養で尊大だった。そもそも竜族、特に黒竜は矜持が高いのだ。それも種族的な実力に裏打ちされたものなので、そこに物申すつもりはないけれど。

 それを、おそらく彼が産まれてから初めてくらい盛大に扱き下ろしたシャノンは、相当鼻持ちならない相手だっただろう。それが、未だに付き合いが続いているというのだから、何があるかわからないものである。

 当時はシャノンも随分と荒んでおり、今思い返してみれば「青かったなぁ」の一言で片付けられてしまう類いのことだ。

 ごつ、ごつ、ごつ、と鈍い音が響いて、シャノンは店鋪の方を振り返る。

「お客様?」

「んん? 誰だろ……」

 カーテンを引いて目隠しされた扉の向こうに人影があり、飾り窓へ手を伸ばしてひらひら振っているのをみつけ、カップを置いて立ち上がった。

 何となく来訪者を予測しながら鍵を開け扉を開くと、案の定、街歩き用の衣装を着込んだフィデルが軽く手を上げる。

「やぁ、シャナ」

「何しに来たの」

 半眼で腕を組んで見上げると、心外そうに軽く眉を持ち上げる。

「酷いな、様子を窺いに来たに決まっているだろう。うちのテーラーたちの仕事は、そろそろ終わりそうだよ」

「おまえね。自ら来るな、伝令寄越せよ」

 序でさ、とあっけらかんと四ツ辻を指す。あぁ、と曖昧に頷いて、シャノンは軽く眉をひそめた。

「なに、顔出した方がいいの?」

「どちらでも。しかし、おまえを無視して進めていくと、後で煩いだろう。知らないうちに消えられても困るし」

 すっかりこちらの考えを見通した一言を投げられて、軽く肩を竦めたシャノンは戸口にもたれ掛かる。

「うちは、まだ仕事残ってるからね、今日は遠慮するよ。殿下たちが王都へ帰るのって、いつ?」

「五日後だな」

「じゃぁ、明後日。そこまでに仮縫い間に合わせるから、親方にそう言っておいて」

 かたかたと聞こえるミシンの音を振り仰ぎながら言って、ふと思い付いたようにフィデルを見上げた。

「ていうか、まだ早いじゃん。うちで時間潰すつもりだった?」

「いや。マーシュの珈琲が久し振りに飲みたくて」

 かぶりを振って、彼は店内へ目を向ける。すん、と鼻を動かして、小首を傾げた。

「シャナがハーブティというのも、珍しいな」

「昔は結構飲んでたよ。今日はグウェンが淹れてくれて」

 それはお邪魔だったかな、と意味ありげに笑うさまに眉をひそめて、大仰にため息を落とす。

「何処ぞの領主様が無理難題吹っ掛けてきたから大変だろうって、細々したこと手伝ってくれてるんだよ。序でに、俺に合わせて処方してくれたの。いやぁ、この街に来て一番の収穫は、魔女の友達が出来たってことだよね」

 はよ行け、と手を振って追い払うと、果たして彼は苦笑を浮かべて踵を返した。

「それじゃぁ、報告はするよ」

「おう。……あ、序でにさー、ラスにそろそろ注文の品出来るからって伝言宜しくー。マーシュには、もうちょっとかかるから待っててって」

 苦笑混じりの「了解」が返ってきて、フィデルはゆったりと通りを歩いていく。幾ら竜族最強とはいえ、護衛も付けずに出歩くとは、領城のヒトビトの苦労は計り知れない。とはいえ、昔からずっとそうなので、今更という気もするが。

 現に、道行くヒトビトは驚く様子もなく、気さくに挨拶を投げかけるのが見えた。それにいちいち応える辺りも、彼が領民に慕われる理由だろうか。たまに立ち止まっては軽く会話して、赤子がいれば顔を覗き込み、駆け寄る子供たちを適当にあしらう。

 本当に、昔の彼を知っている身としては、随分丸くなったものだと感心してしまう。

 扉を閉ざして施錠をし奥へ戻ると、グウェンドリンが二杯目のハーブティを注いでいるところだった。

「遅かったね?」

「ん、領主様に催促されてた」

 え、と肩を跳ねさせて、彼女は慌ててサーバーを置いて身を乗り出した。そうしたところで、どうせ見えないのだけど。

「帰しちゃったの?」

「いや、元々冷やかしで。マーシュの珈琲飲みに来た序でだってさ」

「え、飲みに来るの? 領主様が? 柘榴(グルナディエ)に?」

 目を白黒させている彼女に苦笑しながら頷いて、シャノンは腰を下ろした。

「夜の方が出没率高いよ。グウェンが御飯食べに来るより遅い時間だから、会ったことないと思うけど」

 領主様ご贔屓の店って揶揄じゃなかったんだ……、と両手で頬を覆って呟く。

「普通に城から歩いて来るよ。そこそこ裕福そうな青年実業家風の格好してるから、結構紛れ込んじゃうし。ご近所じゃ有名だよ」

「全然、知らなかった……」

「まぁ、普通は額面通りに受け取らないよねー。他所の国では……いや、領地(シノン)では有り得ない」

 あんまり気にしなくていいよ、とひらひら手を振りながら、冷めてしまったハーブティを飲み干す。ほんのりと甘味を感じるそれは、敢えて冷やして飲んでも美味しいだろう。こうした多彩さは、シャノンには真似できない部分だ。

 何とか気を取り直したらしいグウェンドリンは、小さく吐息してサーバーを手にした。

「もう一杯どう? 追加でフルーツティ淹れようか」

 宜しく、とカップを差し出すと、彼女はそれをなみなみと注いでくれたのだった。

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