聖獣撃破
AKH連合軍は、SSTT軍の切り札の一角であるシローデルを早々に始末して、格の違いを見せていた。
これには流石のガムノイアー大将も起死回生の一手として期待していただけに、痛いし悔しかった。ただ、一体の聖獣は圧倒的にAKH連合軍より劣っていたと言う分析結果をヘル・ガーディアス総統に送るしかなかった。
特に効果的だったのが、良好の魔法であった。その勢いのまま、第三遠征軍は残る聖獣クロムーザと相対していた。第二遠征軍の一部(10万人)も応援に回り、この暴れ馬を退治しようとしていた。
第二遠征軍の弓兵が効果的だったのか、クロムーザは思うほどの実力は出せていなかった。結局良いところを見せることなく、最後のとどめを待つのみであった。最後のとどめを討つのは、ブラックホール・レグムート大将に託された。
「私の剣には過去を悔やむ懺悔の気持ちが込められている。もう私はあのような空虚な日々を送りたくない。その泥沼から救いだしてくれた皆の為にこのヒョウズマイルとムラクモソードを振るおう。」
レグムートには、後ろめたい様な過去の記憶を戦う事で忘れさせてくれると言う、何とも切ない状況で戦っていた。
「行くぞ!絶対零度雨霰」
レグムート大将は、ヒョウズマイルを高く掲げて、クロムーザの胸元目掛けて恐るべきスピードで突き刺さった。
「どうした?もうお腹一杯か?」
レグムート大将は一度貫通した反対方向からも絶対零度雨霰を実行した。
「デザートはあの世で食いな!」
ドスーン‼
「御馳走様でした。」
レグムート大将のフルコース(奥義)が終わった。クロムーザは声ひとつ出さず絶命した。そして二度と動く事は、無かった。
「くぅ!何と言うていたらく。これではヘル・ガーディアス総統に合わす顔がないではないか。ここは、一旦引くぞ!皆の者SSTT城周辺で、陣形を作り直すぞ!」
そう言うと、馬に鞭打ってガムノイアー大将はSSTT城に消えて行った。
「ざまー味噌汁だぜ!」
レグムート大将のギャグに反応する余裕のある配下はいなかったが、大きな聖獣を二体も倒した事は、手応えを感じるのは確かである。カプセル聖獣と言えども、AKH連合軍の強い絆の前には叶わなかったのである。
「」




