イエロータイガー・セバスチャノスVSホワイトジュエル・ガムノイアー
ウェザース歴1998年12月30日、この日を境にウェザースの平和と秩序は乱れる事になる。翌年の1月15日、AMTOC(アメノムラクモンチュア王国)、HRK(ハレルヤ共和国)KDAO(クラウディアス王国) の三国に対して南のSSTT(ストーム・スノー・トルネード帝国)の突然の宣戦布告を受け、それに伴いAMTOCに進軍したSSTTがAMTOCを占領した日。それが1月15日であった。何の予想もしていない、所謂奇襲であった為、SSTTの突然の武力行使に、屈した。無論、戦争になると別れば、こんな惨劇にはならなかっただろう。
SSTTはその勢いのまま軍勢を北進させ、HRK国境線を突破した。このままでは、トントン拍子でウェザース全土を制圧してしまうだろう。そう思われていた矢先の事であった。準備万全で備えていたSSTTであったが、それを上回るHRKの8個師団の大軍勢が、SSTTを迎え撃った。そこは、HRKの南端から60㎞程離れたウレ草原と言う広大な土地であった。首都ハノスから50㎞の地点である。
兵力に余裕があるはずのSSTTではあったが、HRKは全ての軍勢をウレ草原に注ぎ入れた。ここでSSTTを叩けば援軍が来ても負ける事は無い。そう算段していた。そうこうしているうちにKDAOから援軍が来るかもしれない。首都ハノスで演説していたハウザー大統領の命を受けた別動隊が即座にKDAOに使者として送られた。一方でHRK騎士団長のイエロータイガー・セバスチャノスを大将として、ホワイトジュエル・ガムノイアー大将率いるSSTT本隊と刃を交える事になった。
他国は明らかにHRKに勝ち目は薄かったと思うが、まぁ、3ヶ月。持てば良い方で、もっと悪いシナリオを描く人が多くあったが、1月20日のウレ草原での両軍の衝突から1ヶ月半経過した3月3日頃まで、どちらも一歩も退かず決定打を欠いていた。所謂泥仕合である。ホワイトジュエル・ガムノイアー大将は、思った以上に骨の有るHRKに対してこう部下に愚痴を漏らした。
「誰だ3番手だなんて言った奴は?AMTOCよりよっぽど手強いぞ。」
しかし、トルネード皇帝は手をこまねいている訳では無かった。手に入れたAMTOC軍の捕虜達をウレ草原に合わせて60万人もの規模の部隊を送り込んだ。驚く事に、それらの兵は正規兵ではなく、ただの民間人達であった。




