Xデー
その頃、AKH連合軍では首脳会議が行われていた。ブラックホール・レグムートによるSSTT軍の戦力分析も同時に行われていた。SSTTの総兵力は、AKHの総兵力の4分の1にも満たないものである事が分かり、残っている部隊はいずれも強力な部隊だと言う。人員配置については、バルザンの見立てとレグムートの中から見たものと大差は無かった。
やはり、最大の敵はホワイトジュエル・ガムノイアー大将率いるSSTT第18師団(通称:エースキラー)だろう。戦力のバランスがきちんととれていて、同数の兵力を送っても返り討ちに合うのが関の山である。その為、AKH連合軍の総兵力を一点に集中してSSTT城に突入する。結論はそうなった。尚、城内の詳しい情報は全員で共有した。レグムートは、まるで運命に導かれるかの如く詳細に調べ挙げた。
この情報が後にAKH連合軍にとって大きなヘルプとなるのだが、それはまだ少し先の事であった。AKHとSSTTの全面衝突が目前に控える中でAMTOC、HRK、KDAOにそれぞれ守備隊各10万人を残して、約200万人の総兵力に出撃の準備を急がせた。無論、三騎将も良好も。第1遠征軍にはブラックホール・レグムートが、第2遠征軍にはイエロータイガー・セバスチャノスが、第3遠征軍にはレッドスター・バルザンが、そして第4遠征軍には雲中良好が就いた。第1遠征軍から順にAKH領内を出撃し、一度SSTT城5㎞手前のポイントで、一旦合流しそこで大軍を形成して、SSTT城に雪崩れ込む。と言う筋書きであった。
そこまで行ったら後には退けない。何とか三騎将と良好の力で、SSTT軍を崩壊させる。それ以外には平和の道は無い。その為の代償は、安くは無いだろう。それでもウェザースの平和の為の犠牲である。それくらいAKH連合軍の兵士は覚悟している。問題は作戦決行のXデーをいつにするかと言う事であった。とは言え、本格的な冬が来る少し前のウェザース歴2000年11月中旬位と言うのが、予定されていた。雪はお互いに嫌な気象条件であり、晩秋の時期に畳み掛ける様にして、勝機を見出だそうとしていた。
皆、その気持ちでXデーを心待ちにしていた。さて、次項からは物語から少し離れて、AKHが保有する聖武具や聖剣のスペックを、炎→氷→風の順に紹介しようと思う。




