激突バルザンVSレグムート
ガギィーン、ギィギギギ、ガギィーン。二人の実力は拮抗していた。レグムートとバルザンの持つ聖剣同士では決着はつかない。ヒョウズマイルもエンゼリゲウルも、攻撃力はどんぐりの背比べで、大きな差はない。
「バルザン、貴様腕が落ちたのではないか?」
バルザンの配下の者も、レグムートの配下の者も大将同士の争いに手は出せなかった。
「炎の舞!」
「氷結乱舞!」
あれをやればこれをやる。持ちうる技はあと一つか二つ。このままでは聖剣もろとも相討ちになってしまう。
「炎龍斬!」
「氷龍撃!」
「小賢しい奴だ。聖剣同士で争うなど愚の骨頂。ええい。ややこしい!」
「ふん、いつかボロがでるさ。」
「構えろ、レグムート!お喋りはここまでだ。」
「ほざけ。」
「エンゼリゲウルの弱点は氷の聖剣ヒョウズマイルだと思っているだろう?」
「ち、違うのか?」
一握りバルザンがエンゼリゲウルを天に掲げた。どうやら奥の手がある様だ。
「煉極モード!!」
「それならば、こちらは氷刀斬!」
「分かってないな。エンゼリゲウルの前では、ヒョウズマイルの氷の効果は半減するんだ。考えても見ろ。マグマに氷は勝てないだろ?それと同じ理屈だ。」
「こしゃくな。アイスウェーブ!」
「ファイアーウォール!!」
二人の鍔迫り合いは二時間にも渡った。決着はつかないと思った二人だったが、やがて騒ぎに気付いたSSTT城の兵士達が出てきたが、近付く事は出来なかった。安易に近付くものなら二つの聖剣が放つ光士力エネルギーに飲み込まれてしまう。
「これで決まりだ!炎是利有家流‼」
「氷頭参琉‼」
お互いの決め技であったが、これも両者痛み分け。致命傷にはならなかった。
「もう止めないか、レグムート!」
「嫌だね。」
「これは使いたくなかったが仕方ない。ここで戦いを辞めたら俺は、きっと後悔する。」
「変わってしまったな、バルザン。昔のお前は損得で動く様な男ではなかった。」
「あれはもう25年前の事だ。当時の俺は、12歳。俺は、レッドスターを目指してクラウディアス騎士団に入隊していた。あれは、AMTOCに軍事交流の一環として俺の所属する部隊が派遣された時の事だ。小さな少年が2、3人の大人に絡まれていた。俺は、手助けをしようとしたが、その少年は、回し蹴り一発で大の大人を仕留めた。当時の俺は、末恐ろしささえ感じた。その少年こそレグムートだった。それから20年俺は、念願のレッドスターの称号を手にした。時同じくしてブラックホールの称号を得たのが、レグムートであった。」




