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レグムート奪還作戦

AKH首脳は、頭を抱えていた。それは勿論ブラックホール・レグムートの脱走の件なのだが、中でも氷の聖剣ヒョウズマイルの事を心配していた。KDAOの考古学界のまとめたレポートによると、三聖剣は全て揃って初めて威力が増すと言う事実を突きつけて来た。良好は何故AKH首脳陣が三聖剣の捜索を急がせたのか、このレポートを見て理解した。

 レグムートの代打のバルザラント少将は、有能な武将だが、三聖剣を操る三騎将の器ではない。ブラックホール・レグムートに持たせるヒョウズマイルに意味があるのだ。そこで、AKH連合軍は、レグムートを奪還する為、急御しらえで編成されたのが、兵力50万人からなる大部隊であった。AMTOC出身の兵士を軸に良好の第四方面軍が支援に回る形となった。そして、AKH主力のバルザンの部隊も加わり、総攻撃の先手を打つ形となった。

 SSTT城にいると分かり兵を進めようとしたが、その前にはSSTT最強の呼び声高い第三師団と第五師団からなるSSTT東部方面隊二万人や、中央部の第四師団も倒す必要な事が分かり、計画は一旦白紙に戻る。これは流石に無茶だと、アホなKDAOのクラウド王も思った。

 ならば、全軍を上げての全面戦争にしよう。とはならないのは、得策ではないと良好が進言した。何故ならあくまで、SSTTの方から攻めて来る事を想定した戦力配置になっている為である。とは言え、座してレグムートを待つ訳にも行かない。SSTT国民同様AKH各国民も長引く戦乱の影響で、非常に疲弊していたからだ。

 ウェザース暦2000年9月中旬。遂にしびれを切らしたAKH連合軍が、第一方面軍を主力とした、第一次レグムート奪還遠征軍は、SSTT城に向けて歩を突いた。途中の国境は、バルザンとバルザラント少将が強引に突破して、もう後には退けなくなった。ここで、敵に自らの位置を示す事で、あえてレグムートを引き寄せる事にも繋がる。これはバルザンらしいアプローチであった。レグムートを引き寄せる為の多少の犠牲は目をつぶると言った心構えであった。とにかく一刻も早く氷の聖剣ヒョウズマイルと、レグムートを奪還して総攻撃をかけたい、と言うのがAKH連合軍の目論見であった。

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