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フェイク

 東西南北それぞれのエリアから、各25人ずつの精鋭選抜をする作業は、意外と早く済んだ。こうして第二次SSS捜索隊が結成され、バルザラント少将を隊長としてその大役を全うする運びとなった。長期戦を覚悟して、彼等には充分な装備と食料が支給された。

 この世界に瞬間移動魔法は無い。地下100Fを往復しなければならない。SSSをとって終わりではないのだ。その認識は出発前に耳タコができるくらい言われた。

 ウェザース歴2000年2月SSS第二次捜索隊は、再び名も無き洞窟に挑戦したのであった。バルザラント少将に待ち受けているのは、兄バルザンに認めて貰おうとか、そう言った次元の話ではない。それくらい過酷な運命がバルザラント少将以下100人には待ち受けていた。

 丁度その頃、第二方面軍西部エリアにSSTT10万人の大軍が意図は不明だが押し寄せていた。撃退には2日とかからなかったのだが、この10万人の大軍はフェイクで、SSS第二次捜索隊を葬り去る為であった。SSTT2万人の部隊がAMTOCにある名も無き洞窟に向かっていた。この情報にいち早く反応したのは良好の第四方面軍であった。

 「ふっ。二万人とはよく計算したものじゃない?でもそれくらいサンエンジェルステッキの繰り出す魔法の前には無意味ね。アイスニードル!!」

 何とか素早い情報収集でピンチを切り抜けた。何としてもSSSを手に入れ、この戦いに終止符を討つ事だけを考えていた。AKH連合軍にとって、バルザラントら捜索隊がいなくなる事だけは絶対に避けねばならなかった。

 最初に異変に気が付いたのはバルザラント少将達ではなく、第一方面軍司令官のレッドスター・バルザンであった。たった10万人(とは言え大軍だが。)の兵士を何の目的もなく、敗北確実な状況である事が分かっているのに、送り込んできた事事態が不自然であった。それを理解してからのAKHの連携は見事であった。フリーランスに動ける良好へ早馬を出すと、わずか半日で良好は第四方面軍を連れてSSTTの真の目的である洞窟封鎖を阻止した。と言うのが、概要である。

 このちょっとした戦闘以来SSTTがAKH連合軍と戦火を交えたのは、この一日だけであった。流石のヘル・ガーディアスもタイフウノメルザンティス皇帝も兵士の浪費は避けたかったし、今やアニマライズソルジャーは弱点を知られ、恐れられなくなっていた。

 それでも、バルザラント少将等の帰りを良好達は辛抱強く待った。捜索隊が潜ってから一ヶ月。遂に60階層まで到達した報告が入ったのである。まだ後40階層もある。と思っていたが、実はそうではなかった。もう三聖剣は手に入れて戻る途中だと言う。そうも知らずただ、階層だけを聞いて判断するとは、何と浅はかな事であろうか。後は無事に戻るのを祈って待つだけである。だが残念な事に40人の兵士が、洞窟の中のトラップで命を落として、60人程になっていた。

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