ガーディア・スラッシュ
エックスデーを前に、現在のSSTTとAKHの兵力を比較しておきたい。SSTTの通常兵力は、約100万人。アニマライズソルジャーが約25万人で計約125万人に対してAKHは、約300万人と余力を残しており、SSTTを圧倒していた。
SSTTの頼みの綱は、ブレイコンを装備したアニマライズソルジャーであったが、戦力差を考えてもSSTTは厳しい戦いを強いられそうだ。とは言え、戦いの焦点は互いの幹部クラスに委ねられる事になりそうだ。AKHとしてはいち早くヘル・ガーディアスをおびき寄せられるかが課題となりそうである。ヘル・ガーディアスには阿修羅ソードと言う切り札があり、得意技は凄まじいスピードで繰り出されるガーディア・スラッシュと言う切り上げの衝撃波を敵に叩きつける必殺技があった。
大抵の敵ならばこの技を繰り出す前に、阿修羅ソードの一撃で降参する為に、ヘル・ガーディアスがこの技を実戦で使う事は無かった。試しにブレイコンを持たせたアニマライズソルジャーと戦って見たが、ガーディア・スラッシュを使う事無く勝利している。阿修羅ソードとこの技の相性は抜群で、文字通り鬼に金棒であった。そんな彼が何故ウェザースに来たのか理由はよく分からないが、ヘル・ガーディアスを加味しても、兵力の差は歴然としていた。SSTTの不利は、冬が終わった段階で決定的な喪のとなっていた。
しかし、AKHは油断していない。兵力差はあってないようなもの。ヘル・ガーディアスの狙いは自ら出向いてサクッと三騎将と良好の首を取る。それだけの事であった。それしか勝利の方程式は計算が立たなかった。ウェザースの気候は、アースと違い、全地域が一斉に変わる。東エリアが冬なら北も、西も、南も全て冬になる。地軸の傾きが関係していると、良好は耳にした事がある。
春になっても積雪量の多いウェザース南エリアに攻め込むのは危険だった。その為、AKHとしては、襲来するSSTTの防衛に尽くし、敵将を討つカウンターアタックが作戦としては、理想的であった。雪原戦争は絶対に避けなければならない。国境の雪原地帯を守備する部隊に、それだけはAKHの総意としてバックアップする事を確認して、SSTTの襲来を我慢強く待った。どちらの勢力もウェザースの覇権をかけた運命の時が迫っていた。




