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アニマライズソルジャー

 三騎将の実力は、単純に計れるものではなく、そんなものに意味は無かった。ハレルヤ共和国は弓兵士が多かったり、アメノムラクモンチュア王国は剣士、クラウディアス王国は重歩兵が多く、SSTTは槍兵士ソルジャーが多かった。その国ぐにの特徴・シンボルマークを示すのが四騎将である。無論、彼等に敵う兵士はそれぞれの国にはおらず、四大国がそれぞれ違う武具を特徴としたのは、各国の武力抗争を抑止する為でもあった。

 そうした物理的な事だけでは無かったが、平穏を保つ為には色々と、工夫が必要であった事は確かに随所に見られる事であった。そして、各国によって騎将の選出方法も違っていた。

 例えばSSTTは完全実力主義で政局に左右される。AMTOCや、KDAOの2ヶ国は、完全家族選抜で、王族の者しか騎将にはなれない世襲制であった。HRKは、大統領に騎将の決定権があり、国民投票によって絞られた三候補の中から選抜される。このHRKのやり方は実に民主的だ。いずれにしても、実力者が選抜される仕組みにはなっていた。

 AKH連合軍(300万人)はSSTTに対して数の上では勝っていたが、個人の戦闘スキルでは劣っていた。とは言え、余程の理由が無ければ、SSTT がリスクを犯して攻めてくる事は、考え難かった。決定打に欠けるからだ。タイフウノメルザンティス皇帝やホワイトジュエル・ガムノイアーはそこまで馬鹿ではない。ただ、今後アニマライズの成功率が確立されれば、兵力の差など関係なくなる。だが、アニマライズの成功率UPには、まだ時間がかかると言う欠点を抱えていたため、試行錯誤の日々が続いていた。

 ウェザース歴1999年8月、少しずつ精度の上がってきたアニマライズの効果を確める為、7体のアニマライズソルジャーと、100人程の部下を引き連れたアニマライズ第1号ソルジャーで、アニマライズ師団長へと変わったストーム・スノー・エクセム遠征軍司令官改め、ホワイトタイガー・エクセム中将が、AMTOCとSSTTの国境付近へ兵を進めたのであった。

 そして、それをわざとらしく、AKH側にも分かる様に工作した。そう、これはSSTTによる戦闘実験であった。ここの管轄は、第一方面軍のブラックホール・レグムートであった。直ぐ様レグムートは3000人の部下を引き連れて、先遣隊として出撃した。

 

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