タイフウノ・ハッセイシャルーン皇子
「馬鹿者!一度足らずも二度も失敗を重ねるとは何事か?説明しろ!」
SSTT城でトルネード皇帝こと、タイフウノメルザンティスの怒号が響き渡っていた。怒号の先には、SSTT遠征軍の責任者でSSTT No.3のストーム・スノー・エクセム司令官であった。
「申し上げようかどうか迷っていましたが申し上げます。タイフウノメルザンティス様、どうやらあのお方の最大の脅威となる人物が現れた様です。」
エクセム司令官は、意味深な言葉をタイフウノメルザンティスに、投げかけた。
「あれだけの兵力を注ぎ込んだのに叶わぬとは、もしやヴィーナス(1000年王妃)が現れたか…。」
「三騎将では無さそうでした。」
「三騎将等、ガムノイアーに任せておけ。」
「ウェザース歴1999年…。そろそろかな?」
「あの方の復活も前倒しにする必要があるな。」
「他言無用だぞ。良いな、エクセム。」
「御意。」
ストーム・スノー・エクセム司令官は、戦況報告を終えると足早に城を後にした。SSTTの暴走の影にはどうやら黒幕がいるようであった。
ウェザース歴1999年7月26日、AKH本部のあるクラウド城に応援要請が入って来た。それは、AMTOC HRK KDAO のいずれの方面軍でもなかった。
「状況は?」
「SSTTからの亡命者三人確保願う。良好様?いけそうですか?」
「任せて‼」
どうやら三人は追手に追われているようだ。
「バルザラント!行ける?ここから7㎞の地点よ。急いで‼」
「了解しました。出ます!」
「私も後から追うわ!」
どうやら5000人の大軍が追うのはタイフウノメルザンティスの弟タイフウノ・ハッセイシャルーン皇子の様である。血眼になってSSTTが追うのは何か訳があった。
「皇子、ここは任せて先に‼」
「わ、分かった。」
「貴様、そこで何をしている?」
「私はタイフウノ・ハッセイシャルーン皇子だ。訳あって貴国に亡命をしたい。」
「確保してやれ。追手はどうする?」
「好きにしろ。」
第四方面軍400人では足りず、良好は第一、第二方面軍に応援を要請し何とか事なきをえた。
「暗殺者が多くて焦ったわ。あんた何者?」
「僕はタイフウノ・ハッセイシャルーン。トルネード皇帝の弟だ。亡命を受け入れて欲しい。理由は聞かないでくれ。」
「はぁ?理由位述べなさいよ。あんたの世話するんだから。」
「兄、タイフウノメルザンティスの知らない機密を知っているから。亡命したのは、命を狙われたからだ。」
「そう言う事なら仕方無いわね。」
とりあえずタイフウノ・ハッセイシャルーン皇子救出には成功した。