奇襲作戦概要
ホワイトジュエル・ガムノイアー大将は、トルネード皇帝の命令で、遠征軍20万人の主力部隊をSSTT本国に戻し、本国の防衛にまわした。これで、数の上では形勢が逆転した事になる。しかし、トルネード皇帝は半分の勢力でも勝てるつもりの様だった。だが、それはKDAOの援軍を見落とした愚策であった。無論、ラスト・ヴィーナスの良好の存在にも気付かずである。
油断しまくりのSSTTは、のんびりハレルヤ城を目指して軍勢を進めていた。それでもHRKの首都ハノスに向かうには、ピカットール河を渡らねばならず、これでは戦いにならない。そこでガムノイアー大将は、いくつかに分けた部隊毎にそれぞれ違うミッションを与えた。それによりHRKを撹乱させて、奇襲をかけて一気呵成にHRKを叩く作戦の主な内容であった。
とは言え、20万人もの大軍勢。侮るは不可なり。それに対しKDAO、HRK連合軍は、上下左右からの四方向からSSTTを撃滅させる死四方陣戦術をイエロータイガー・セバスチャノス大将は提唱した。この作戦をバルザラント将軍代理は承諾。バルザラントは、流石3騎将だけあって決断が早い。そう思った。協議の結果上下軍をセバスチャノス大将が。左右軍をバルザラントが指揮する事になった。上下左右軍は、それぞれ実力が均衡する様に振り分けられた。先攻する偵察部隊も準備を始めた。予め決めた地図上のXポイントに敵部隊を引き付け、上下左右から一気呵成に挟撃。攻撃の順番はイエロータイガー・セバスチャノス大将の率いる上下軍。その後にバルザラント率いる左右軍が挟撃する様になっていた。
弓矢やボウガン、ファイアボールと言った飛び道具を使いなるたけ敵を減らした後にバルザラント率いる左右軍の接近戦で仕留める。それがKDAO、HRK連合軍の作戦であった。
「報告します。」
「どうした?アラレ少佐。」
「Xポイントに敵が到着するまで2~3日はかかりそうです。」
「そうか。分かった。ありがとう、アラレ少佐。」
「って訳で皆現場待機で頼む。」
「了解しました!」
この奇襲作戦が煮詰まった頃ようやく首都ハノスから良好とバルザンが合流した。バルザンは弟の手柄を盗んではいけないと思い、イエロータイガー・セバスチャノス大将にも挨拶せず、良好のボディーガード役に徹した。SSTT遠征軍のXポイント到着まで残り2日になっていた。




