予言とかマジなんなの?
もうすぐ三限始まりのチャイムが鳴る…。
キーンコーンカーンコーン…
無事にチャイムが鳴った。
俺はホッとして少し肩を落とした。そりゃそうだ。調理実習で事故なんて起きたらシャレにならないんだし…あくまで予言なんだから。
「今日皆さんに作ってもらうのはハンバーグとその付け合せ三種です。一班にだいたい五六人いるから、ハンバーグ担当二人と、他の付け合せそれぞれ一人か二人かな?分担を決め次第、始めてください。」
エプロンを付けたり、調理器具を用意して、実習室がザワザワしている間も天使は大人しく空いてる席に座って爪を弄っていた。
「じゃあ、分担決めるべー。何かやりたいことある人ー?」
俺の班のリーダー的な存在、渡部が取り仕切る。当然のように周りの人間皆、「何でもいいよー。」という。
「だよなー。じゃあジャンケンで勝った順にハンバーグ、じゃがいも、にんじん、アスパラなー。」
「おー、いいよー。」
渡部がじゃんけんの掛け声をする
「じゃんけん…」
「パーだよ。」
何のフリも無くいきなり天使にそう言われ、俺はビックリして意図せずパーを出していた。
「おー、嵐山くんと俺がハンバーグだー。じゃんけん強いねー、俺もだけど。」
ふと天使の方を見ると、何でも無いかのように口笛を吹いてあさっての方向を向いていた。…何のつもりなんだろ…
残った女子三人でジャンケンして、瓦屋さんがじゃがいも、夏目さんがにんじん、小柴さんがアスパラの担当になった。
「真由にんじん切るの早いねー。」
「家でちょっとやってるからー。」
「まじ?えらっ!」
「なー。最初ハンバーグって肉どうすんの?捏ねんの?」
「最初は玉ねぎ切るの!玉ねぎとパン粉と卵混ぜるんだよー。話聞いてた?渡部怖いわー。」
ザワザワとした緩んだ空気に包まれて、少しずつ無事に作業が進んでいくのを見て、ちょっとだけ肩の力が抜けてきた。
ザクザク玉ねぎ切ってると少し気が紛れる。
「ちょっとコンロから離れた方がいいよ?」
「あー、ありがとう。渡部。」
返事をして顔を上げると、渡部は「ん?」という顔をしていた。
「え?」
渡部に向かって首を傾げてみると、首を傾げ返す渡部。
「俺何も言ってないよ?」