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コミュ障嵐くんマジ天使  作者: 中原 白髪
序章 願え!本当の望みを
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俺の人生マジ後悔しかない

俺、嵐山大輝は今、ガチで後悔しかしてない。

小学生の時はマジでイージーモードだった。人生舐めてた。それなりに運動神経よかった俺はそれだけで友達出来たし、それなりにモテたし、勉強簡単だったから悩んだこともなかった。いやマジで小学生って運動神経良いだけで顔もそんな良くなくたってイケメン扱いされる。補正かかるわ。これ絶対。何もしなくても女子集まった。俺シャイボーイだったからマジで近寄られても気恥しいくらいにしか感じてなかった。興味無いわけじゃないけど別に今じゃなくても良くね?とか、本気で思ってた。まじであの頃の俺に言いたい。『てめぇ。いつまでもモテ期あると思うなよ?』でも今思えば体動かすことの他に特出することとか、変わった趣味とか何もなかったなぁ。それを後悔することになるとも知らずに。

色々とハードモードになったのは中学生から。

モテない。まじモテない。

勉強いきなりついていけなくなるし(特に数学)、楽器もなんもやってねーし、いきなりインドアになった友人の趣味にもついていけなくなった。しかも唯一の取り柄だった運動も、中学行ったら俺より出来るやつ死ぬほどいた。まじ俺取り柄ないじゃん、クズじゃん、クソじゃん。運動以外まじクソだから、頭良くねぇ、歌上手くねぇ、話面白くねぇ、特殊な趣味もねぇし、そんなに性格よくもない。その癖してひたむきでも真面目でも無ければパリピになってリーダーシップめっちゃ発揮できたりもしない。アピールポイントマジ皆無。

しかも昔は話しかけられてたから話してたってだけで俺コミュ障だった。自分から声掛けられないから友達出来ない。何で今まで気づかなかったんだろうってレベルで声出ない。中二になると授業中指されるだけで指震える。認めたくないけど何か病気なんかなって思ってた。怖いわ。今までの自分との落差違いすぎて、それを結局卒業するまで受け入れることが出来なかった。廊下ですれ違うかつての友達とろくに目を合わせられなくなったのが辛すぎて他のやつが行かなそうな高校に進学するために偏差値上げた。親は喜んだけど、自分が嫌いになるほど動機がクソ。

高校デビューってやつがしたくて金髪にしてみたけど、入学前に学校みたらめっさ進学校ですぐ黒に戻した。まじあそこで引き返してよかった。金髪で突入したらまじで浮くどころじゃなかった。

まあ、無難な髪に戻しても、人間外見じゃねーし中身だし、これから新しい友達とか出来んだよ。とか、中身ペラッペラな俺が何のプランも立てずに乗り込んだのが運の尽き。意気揚々と乗り込んだ新しいクラスでは、何故か入学前にもうラインで繋がりが出来てるとかいう謎の事態が発生していてもはやクラスに居場所は無かった。既に出来上がっている人間関係に割り込めるほどの度胸が俺には無かった。

しかし、石島くんという大人しめなクラスメイトに救われ、俺は友達ゼロ、マジぼっち、便所飯ワロスとはならずに済んだ。人の良いやつで、話は面白くはないし、昔俺のつるんでたやつらとは全然違うタイプだけど、まぁそこそこいいんじゃね?と、思っていた。

その石島くんが、飛び降りようとしていた。

俺の感想『は?』

『あんなに一緒にいてなんで分からないの?』とか、聞かないでくれ。『あんたそれでも友達だったの?』とか、言わないでくれ。本当に分からん。これはもう石島くんが隠すのうますぎたとしか思えない。だってそんな素振りしてなかったし、別にいじめられてなかったと思うし、何かすげえ悩み抱えてた風には見えなかったもん。え?何?それとも俺が悪いの?俺なんかしたっけ?

しかし、これは今思えば俺に非が全くないでも無いと今は思う。俺は石島くんに感謝してるとか言っときながら、中学生の頃あんなにプライドをへし折られておきながら、なまじ小学校の頃、クラスの中心みたいな友達ばっか居たせいで、心の中でどこか石島くんを見下していたのだ。多分俺は石島くんに興味がなかったのだろう。だから石島くんの異変に『彼が屋上のフェンスの向こう側で下を見ながら立ってる』という状況になるまで気が付かず、もしかしたら心無い一言とか言っちゃったのかもしれない。

けれどその時はただただパニックでとりあえず、石島くんをフェンスのこっち側にどうやって来させればいいのか考えていた。そうは言うもののろくな知識もないので俺は石島くんを刺激しないように恐る恐る彼に近寄ることしか出来なかった。

その後のことはよく覚えていない。説得を試みるも何故か凄まじい口論になり、こうなったら力づくで連れ戻そうとフェンスに手をかけた時、俺の体重のかかったフェンスが錆びていたらしく、俺は石島くんの目の前で屋上から落下した。

俺の人生マジで後悔しかない。

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