親友
掲載日:2019/06/02
僕には友達がいない。
なぜだか分からないが、誰も僕と友達になりたがらない。
だからか僕は、心の中に友達を生んだ。
朝、僕はトモダチに挨拶する。
「おはよう」
『おはよう』
トモダチはちゃんと僕に挨拶を返してくれる。これが僕の日課だ。
ベッドから起き上がり、キッチンへ向かう途中で机に小指をぶつける。
「~っ!」
声にならない悲鳴がでた。
『大丈夫?』
「ああ…うん大丈夫、平気平気」
『そう…ならいいけど…』
トモダチは僕にとても優しい。
まあ、僕がそう願ったから当たり前だけど。
「ねぇ」
僕はトモダチに話しかける。
『どうしたの?』
「いや、君が本当に存在してくれたらいいなって思って」
『またその話か~』
何回も出てくる話題だ。
それでもトモダチは真面目に答えてくれる。
『たとえ私が嘘でも、ずっとあなたのそばに居るから。ね?』
「…ありがとう」
トモダチの答えはいつも変わらないまま。
…変わらないまま。
分かっている、全部自分自身なんて。
それでも僕は、君がいないとダメなんだ。




