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燕と私


農道を車で走っている、ある春先の事。

私の車と並行して田んぼの上を飛んでる

一羽の燕がいた。


速く走れば早く飛び、遅く走れば遅く飛ぶ。

可笑しいほどのシンクロ率だ。


『あれっ、もしかしてこの燕』


前後左右に車はない。しっかり確認した後で

信号も何もない所で車を止めた。


気づいた旦那が不満げに

「なんで車を止めたんだ。」

と言った途端


フロントガラスの真ん中辺を

燕が真一文字に横切って

反対側の畑へと消えていった。


熊野神社の道行きで無駄な殺生しなくて済んだ。

その日一日が清々しい、気持ちのいいお参りになった。


燕と私の今年の春の物語。



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