中(あ)てられる
こんにちは、紫雀です。
我が家は結構、和菓子好きなんですね。
米子に転勤になった時四、五年かけて米子中の和菓子屋を巡り
やっと、一軒気に入ったお店を見つけました。
その名も「清月」
老舗の和菓子屋さんで
天皇陛下が米子をご訪問の折に
菓子を献上したこともある菓子司さんなのですね。
聞けば、現当主さんは、和菓子のコンクールで優勝したことのある腕前。
そんな話に釣られたわけではないのです。
あくまで店の梯子をして、一番おいしいお店に行き会った結果
この店が我が家の御用達となりました。
法事の菓子をはじめ、土産物はここのお菓子を買っていきます。
そんな話は置いといて、今年の春の事です。
米子には花回廊という花見どころがあります。
県の施設なんですが、久々に夫婦水入らずで
花見をすることにして
お茶うけに「清月」の和菓子を持っていくことにしました。
カラからと引き戸をあけ、一歩店内に入ると、常連扱いの私たちは
下にも置かぬ歓待ぶりで店員さんから極上の笑顔で接客を受けます。
「いらっしゃいませ」
「こんにちは、あらっ、おいしそう」
春の深山を再現した若緑色の上生菓子に梅の花を再現した求肥など
眼にも嬉しい色鮮やかな和菓子の数々。
どれも欲しかったので全部ひとつづつ頼みました。
すると横から不満そうに口出す旦那様
「一つじゃなくて二つ」
「何言ってるの。今食べる分だけでいいんだよ
食べすぎは、体に毒だから」
「えーっでも」
「でもじゃなーい」
「だって」
「だってじゃないのぉー」
ほんと子供みたいなんだから……
「お医者様に甘いものの食べすぎはダメって言われてるでしょう?」
などとやり取りしてると奥から出てきた、
この店の主が顔を真っ赤にさせて一言おっしゃった。
「なんかぁー、なんかですねぇー」
「はい?」
「中てられるんですけど」
「あっ、えっ?はははっ、あてちゃいました?あらら、ごめんなさい^^」
『うちじゃぁ、普通の会話なんですよぉー、お宅じゃしないんですか?』
と言おうとして気が付いた。
去年の暮、店主様、離婚なさったのよね。
危ない危ない、もう少しで地雷踏むとこだったゎ。
中ててしまってすみません。私に悪気はないのです。
どこまでも天然な、
以上、紫雀の体験談でした。(;´Д`)ノ




