二度ある事は……?
こんにちは、紫雀です。
去年の暮れの話。
まだ、雪の残る山間部で車を走らせていた時の事です。
渓谷沿いから町へ入る道筋に踏み切りがあり、一時停止して左右確認の上、
車を発進させました。ところがです。
町の中に侵入した所で「ファンファンファン」と
回転灯を回しながら後ろから近付いてくる一台のパトカーがありました。
『アレ、私、なんかやったっけ?』
周りには車が一台も走っていません。
明らかにターゲットは自分の車です。
停止しろとばかりに追跡してくるので、仕方なく路肩に車を止めました。
パトカーから降りてきた二人の警官は殴りたくなるような
満面の笑顔でこう仰った。
「お姐さん、踏切停止してなかったよね」
『えっ?停止してなかったかな?いや、したツモリなんだけど( ̄ー ̄;』
黙っていると追い打ちをかける言葉が出てきた。
「あのーですね。踏切は3秒間停止しなきゃならんのですよ。
はい、だからね、免許証と車検証だして」
「ええっ?三秒間……?」そんなルールだったっけ。
いや、皆、そんなに長い間止まってないだろ。
少なくとも米子じゃあまり見たことないんだけど……。
ここは、車もめったに通らないド田舎、捕まっても仕方ないか。
諦めの境地で免許証と車検証を提出。違反切符をきられ
七千円の罰金を払う事になった。
違反切符の確認をすると担当した警察官の名前が記してある。
『黒坂署の〇田まるお』となっていた。
結構へこんだ。
郵便局で支払いを担当してくれた美しめの女性が
罰金だと気づいた時点で自分の机の引き出しから
温泉の元を出して、領収書に添えてくれた。
「気の毒に、今日はコレで元気出してね」
「あっ、ありがとうございますσ(^_^;)」
こういう時は一際、人情が身に沁みます。
「ところで何で捕まったんですか?」
「踏切停止三秒間ルールです」
「三秒間……」
女性は驚いて目を見開いていた。
そんなに止まらないと行けないの?と言った風情だった。
頭を下げて郵便局をでた。
そして、その事件を忘れかけた今年の7月の事、
米子にある住宅街の三叉路でまたしても私は捕まってしまった。
理由は「一時停止してなかった」らしい。
直線道路から横道に入るときに、確かに一時停止したつもりになっていた。
一旦止まったはずだったが、警察官は完全に車輪が止まってなかったと主張。
またしても、違反切符を切られることになった。
ちょっとまて、この警官どっかで見たような……。
この殴りたくなるような満面の笑顔……。
切られた違反切符に『黒坂署の〇田まるお』の文字があった。
えーっ、私、また同じ人につかまったの?
この事実は結構、驚愕だった。
だって、黒坂って米子から車で一時間半はかかるド田舎なんですよ。
なんでそんなド田舎の派出所勤務の人が米子の街中で取り締まりやってんの?
二度目の轍を踏んだ私、
二度ある事は三度あるのか。
それとも
三度めの正直なるか?
あの警察官の笑顔には三度は会いたくない、以上紫雀の体験談でした。(;^_^A