表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

95/106

清洲攻略戦・その二

 初めて来たけど清洲は結構大きな町だな。


 でも町の様子は混乱していて、今も逃げ出してる町衆がかなり居る。


 この時代だと城攻めでは敵の城下町を普通に焼くからなぁ。


 同時に家の軍には勝手に加わる義勇軍が益々増えてる。


 一応信秀には報告したが、構わんと言われて終わりだ。


 あんまりあることじゃないが、一揆などで農民がやる気になるとあり得ることらしい。


「本当に門が開いてるぞ」


「信じられん」


 今回の出陣が守護代の織田信友の要請による出陣であることは、すでに全軍が知っていた。


 中には罠ではと疑う者も居るらしく、斥候を出したりして慎重に進軍している。


 しかし町に入っても何も抵抗がないまま清洲城にたどり着くと、開かれた門が目に入り織田弾正忠軍は流石に騒然としてしまう。


「あれは……」


 軍は清洲城正門の前で止まっていた。


 そんなオレ達の前に現れたのは、三十代くらいの冴えない武士だった。


 彼の姿に信秀が馬から降りると、周りも続けてそれに習う。


「どうやらあの人が守護代様のようですね」


 信秀と平手政秀が出迎えに現れた武士に頭を下げて、何か話をしている。


「問題はここからだろうな」


「恐らくこのまま謀叛人に降伏を促して、従わねば戦になるのでしょう」


 信友と信秀達は笑顔が見える様子で話をしている。


 オレには何を話しているか聞こえないが、あの様子だと清洲は手に入ったみたいだね。





「我らは守護代様より、謀叛人を捕らえることを命じられた。これより討って出るものとする」


 信秀は清洲城の守備に幾らか兵を入れた以外は、そのままの軍勢で河尻与一や織田三位に坂井甚介という、敵味方に分かれ争っている清洲の重臣達を捕らえに行くようだ。


 今度はオレ達が清洲の町を守る為に出陣するのね。


 ああ織田弾正忠軍は、信友本人と清洲の武士なども加えて三千近くまで兵が増えている。


 実のところ信友と平手政秀の密約は清洲方の武士はほぼ誰も知らずに、重臣達が出陣した後に信友が信頼出来る者と、守護の斯波武衛の家臣で重臣に加担しついた者を捕らえたらしい。


「一益。大砲は任せるよ。野戦だし当たらないかもしれないけど、構わないから。とにかく撃てるだけ撃って」


「はっ。お任せを」


 重臣達は織田弾正忠家の出陣に、意外に早く気付いたようで引き返して来たが、まさか信友が清洲に迎え入れるとは思わなかったのだろう。


 彼らからすれば清洲城で籠城した隙に、引き返せば間に合うと考えていたのだろうが場所は清洲郊外での野戦だ。


 オレ達は清洲の町を守るように布陣しており、織田弾正忠家と織田大和守家の旗が揺らめく姿に、敵軍は戸惑っているみたい。


 大砲は一益に扱い方を教えていたので任せてる。


 オレとエル達は信長の陣に居なきゃ駄目なんだよね。


「かず。弓など使えたのか?」


「ええ。まあ。鉄砲は他の人に回したんで」


 信長の陣には平手政秀を筆頭に、青山与三右衛門や内藤勝介などの家老や佐久間信盛などの重臣達が居る。


 本当は火縄銃を持ってこようと思っただけど、どうも信秀はオレに武功を挙げて欲しいようなんなんで弓にした。


 弓の使い方は睡眠学習で学んだし、練習もこっそりしたので生体強化された身体なら、並み以上に射てるようになってる。


 エル達は前線に出ないように言われてるので彼女達も弓を持ってきたみたい。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ