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清洲攻略戦・その一

 宗久は翌日帰って行ったけど、最後まで取り引きの話はでなかった。


 こちらは信長と平手政秀と相談して、お土産として蜂蜜酒や鮭や鯨などを渡している。


 宗久が尾張に来た話は堺の会合衆でも話題になるだろう。


 全く成果がないと周りに思われては、宗久の立場も良くないだろうし、オレ達が堺と敵対的だと思われても困るからね。


 別に味方して欲しいとも言ってないから、実際宗久がどうするかは分からないけど。





「若。清洲が動きました」


「いよいよか。かず。準備は出来てるな?」


「はい。鉄砲と大砲に炮烙玉と全て揃ってます」


「出陣するぞ!」


 そして稲刈りがほぼ終わり、田んぼには稲を干してる姿が見られるようになった頃になると清洲が動いた。


 河尻与一と織田三位率いる清洲軍が、織田大和守家から離反した坂井甚介を討伐する為に清洲を離れたのだ。


 織田弾正忠家は守護と守護代の要請で、重臣が居ない清洲城に入ることになるというのが今回の筋書きだ。


 無論重臣の何人かは留守居役として清洲城に残るが、守護と守護代に従う人を密かに集めて、織田弾正忠家を清洲城に引き入れてしまえばこちらのものだった。


 無論これが罠の可能性を考慮して、城攻めも出来るように大砲も持っていく。


 それに出払ってる重臣達とは、恐らく一戦交えなくてはならないだろうけどね。


「うむ。ケティ。なかなか似合ってるではないか」


 今回の戦で家はエル・ケティ・ジュリアの三人も同行していて、信長の発案でとにかく目立つようにしようと言うことになり、久遠家はこの時代ではまずない綺麗な青い鎧を着ている。


 末森ではエル達は戦に連れて行って、本当にいいのかと心配する声や、戦場に女を連れて行くなど問題だという反対意見もあったらしい。


 ただ信秀は前線に出さずに敵の戦意を挫く為だということで許可した。


 それと久遠家の兵は五十人集まっている。


 オレ達と滝川一族に加えて本当は擬装ロボットでも集めようかと思ったけど、ケティが戦に行くと知った患者達が次々に志願して人が集まって五十人にもなった。


 オレが織田家から貰ってる禄は、二百貫なんて五十人も要らないんだけどね。


 ただこれでも減らして戦慣れしてる人を選んで来たくらいだ。


「鬼が出るか蛇が出るか」


「何も出ないと思います」


 織田弾正軍は兵数が二千五百に、一般的な火縄銃が五百丁に、口径の大きな火縄銃の大筒も三十丁と、南蛮船から降ろした青銅大砲を二門持っていく。


 大筒は火縄銃を練習させた信長の軍に配置していて、大砲は家が運用することになる。


 本当に信友がオレ達を受け入れるのか、少し疑っているけどエルが調べた限り清洲城にはろくな兵力はなく、裏をかかれる心配はまずないらしい。


「なあ、勝手に兵が増えてないか?」


「私の患者。来ないでいいって言ったのに」


 この時代の農民は普通に武装してるので、自分の刀や槍を持って来て、家の軍の辺りに勝手に合流してるよ。


 こういう場合どうなるんだろ?


 まあ進軍と言っても大河ドラマみたいに規則正しく進軍なんてしてなく、本当バラバラな集団が歩いてるだけなんで勝手に合流しても目立たないんだけど。


 ああ家の屋敷の方は、もう一人の医療型アンドロイドのパメラに任せてる。


 今日も患者が来てたしね。


 清洲の重臣達も織田弾正忠家を警戒していたけど、それより先に坂井甚介を討たないと織田大和守家が空中分解しかねない状況らしい。


 小さい国人衆なんかは密かに織田弾正忠家に寝返ってるし、重臣達もそれをある程度気づいているから、坂井甚介を討ち織田大和守家を引き締めて、織田弾正忠家と戦をして和睦したいみたい。


 清洲の町が見えてきた頃には家の軍が、百人を越えるほど膨れ上がってたけど本当にいいんだろうか?



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