表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

73/106

次の季節への準備

12日の二回目の更新は内容が問題だったので削除しました。


申し訳ありません

「親方どうです?」


「これは若様と久遠様。出来てますぜ」


 稲刈りが尾張のあちこちで進む中、この日は信長達と熱田の樽職人の元を訪れていた。


「ほう、でかいな」


「小さいのが十石と、でかいのは三十石は入ります」


 そこにあったのは、人がすっぽり入れるほど大きな桶だ。


 信長とお供の皆さんは、その大きさに驚きの声をあげてる。


 この秋から始める酒作りを前に一番必要だったのは、この大きな桶なんだ。


 この時代酒作りは、そもそも大きな桶が存在しなかったんだよね。


 桶樽職人は居たので、そこの親方にちょっとしたアドバイスをして、酒作り用の大きな仕込み桶を作ってもらったんだ。


「じゃあ親方。これどんどん作って下さい」


「お任せを」


 親方には人を増やしてもらい、とにかく大きな桶を量産してもらうことにする。


 味噌や醤油の製造にも大きな桶は使う。


 それに今後酒や醤油を全国に売る時には樽が必要になるから、需要はいくらでもあるんだよね。



「それは全て鉄か?」


「そうですよ。牧場工事の時に見た道具だと効率が悪いですから」


 そして同じく熱田の鍛冶職人のところを見に行く。


 こちらでは先日もちらりと言ったが、鉄製の農具と土木道具を作ってもらってる。


 形は未来で普通にある、平鍬・備中鍬・つるはし・シャベル・馬や牛で引く鋤と全て柄の部分以外は鉄製にしてある。


 この時代農具は木製に刃先だけ鉄を付けた物なんだけど、効率良くないんだよね。


 まあ備中鍬・つるはしは存在そのものがないし、シャベルと鋤は似た物はあるがやはり鉄製でないので効率が良くない。


 ただお陰で鉄の需要が増えて鉄が足りなくなって、南蛮船で鉄を運んで来るハメになったけどさ。


「若様と殿に献上するので、普段は農民に貸すなり工事に使うなりして、戦の時は黒鍬隊に使わせて下さい」


「それほど変わるか?」


「ええ。かなり変わりますよ。津島も拡張工事を稲刈りが終わり次第やるみたいなんで、そちらにも使わせますけどね」


 鉄製の農具はこの時代貴重だからね。


 献上という形にして管理は織田家にやってもらう。


 下手に農民に渡すと売り払ったりしそうだからさ。


「他だと鉄砲や槍が優先なんですけどね」


「それはうちが仕入れられますから。親方はどんどん農具をお願いします」


「そりゃまあ、あんだけ銭を貰えばやりますけどね」


 鍛冶職人の親方は元々刀や槍を本職にしていた人だけど、腕がいいのでうちで雇ってる。


 最初は農具なんて作らないと言ったけど、平手政秀と一緒にお酒と鯨や鮭などで親方を接待して、銭で雇う形でならばと話が纏まったんだ。


 鍛冶職人は津島にも居て、そちらにも農具と土木道具を作るように頼んでるけどさ。


 将来的に領地が増えることを考えると、これらの道具はいくらあっても足りない。


 それとそろそろコンクリートも使いたいんだよね。


 津島の拡張工事で南蛮船が停泊出来るコンクリートの港なんて出来ないもんか。


 現状だと沖合いに停めた南蛮船から、小舟に荷降ろしして港に運んでるから手間なんだよね。


 しかしこの時代にコンクリート持ち込むと、城の石垣とかコンクリートになってしまうかも。


 なんかそれはそれで歴史的な建造物を、ぶち壊しにした気分になるな。


 でもコンクリートは必要だよな。


 後でエルに検討してもらおう。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ