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滝川さんと牧場

「資清。足りない物はないか?」


「はっ。十分にございまする」


 一益の親父さん滝川資清と従兄弟の益氏は、オレが直接召し抱えた。


 一益は禄を気にして自分の禄から二人の禄を出すと言ったけど、ここでケチっても仕方ないしね。


 慶次はまだ元服をさせてないとのことで、そのうち元服させて召し抱えることにした。


 資清と益氏は慶次を持て余し気味のようだったが、悪い男でもないので嫌われてはないようだった。


 困ったワルガキだと言うのが本音なんだと思う。


 実は那古屋に来た翌日には早くも近所のワルガキと喧嘩をしたらしく騒ぎを起こしたけど、騒ぎを聞き付けた信長がとことんやれと争わせて最後には家で飯を食わせて仲直りさせてた。


 カブキ者というかワルガキの大将のような信長なだけに、慶次の扱いが以外に慣れてるのがちょっと面白かった。


「殿。牧場のことでございますが」


「新しく来た馬はどう?」


「よい馬にございまする。されど人を増やさねば盗まれるかもしれませぬ」


「平手様と相談して人を増やすか」


 他の滝川一族は真面目らしくよく働いてくれてる。


 特に那古屋城郊外に作った牧場には日本の在来馬よりは大きく品種改良に向いてるアラブ馬と、大型のペルシュロンやブルトンなどの史実でばんえい馬になった元の馬を持ち込んだ。


 人手がたりないので牧場の監督を滝川さん達に任せることにして、品種改良や馬の種付けは医療型のケティが指導してる。


 本当は牛も海外から持ってきたかったんだけど、馬の飼育が落ち着かないことにはどうしようもないからね。


 牛は在来種を商人に尾張領外から、集めて貰ったんで繁殖させる予定だ。


「妙な連中がうろついてるみたいだしね。どこの連中やら」


「一部は清須の者です」


「また清須か? 人の物が欲しくなる人達なのかな?」


 それと牧場が完成して馬や牛を放牧させ始めたら、牧場の周辺に見物人とか妙な連中が集まりだしたんだよね。


 織田弾正忠家の家臣から近隣の農家や商人まで様々だけど。


 一部には怪しい奴も来ていて、管理する人手が足りなくなっていたので滝川さん達が来て助かったわ。


「馬が外に居れば、盗むのもよくあることですから」


 この時代本当倫理とかモラルとかないんだよね。


 ちょっと隙を見せると他人の田んぼから稲を刈って盗んでいくし、馬や牛を放し飼いにしてたら盗まれるんだから。


 流石に同じ家中ではそこまで露骨にやらないらしいけど、那古屋って清須から結構近いから、気を抜くと苅り田とか馬泥棒くらいはされるらしい。


「鉄砲でも何でもどんどん使っていいから、盗人は徹底的に退治して」


「畏まりました」


 これ牧場の警備だけで一苦労だわ。


 人手が足りないから擬装ロボットも置いて、当面は衛星で監視してピンポイントに泥棒を退治するしかないかね。


 やっぱ早めに常備兵を早めに進言するべきか。


 平時では警備と土木工事なんかに使えるし、治安維持は統治の基本だからね。


 半農の武士ばっかり居て、自分の領地以外は知らん顔するこの時代の統治システム良くないわ。


 それとオレはあんまり関係ないけど、土地や水の問題で村と村なんかでも争いになるのがよくあるらしい。


 同じ領内でも統治する武士が違えば敵とまでは言わないが、争いになることある。


 少なくとも最低限の法整備はするべきだろう。


 今川かどっかでも確かやっていたはずだしね。


 ただ大元の弾正忠家に力がないと従わなくなるからなぁ。


 急激な改革も出来ないと。


 本当改革って難しいね。




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