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戦国時代の夜

「一益。さあ飲め」


「はっ。頂きまする」


 戦国時代の夜は余程の身分でも無ければ、夜の営みをするか寝るかしかやることはない。


 ただうちは一日三食だから日が暮れてから夕食になるし、未だに独身の一益は三食を家で食べてる。


 特に夕食は酒好きのジュリアが飲み相手が出来たことを喜んで、毎晩一益に酒を飲ませてるんだよね。



「しかしよいのでしょうか? 某が毎晩このように頂いて」


 一益は下級武士用の屋敷を貰って人を雇って家の管理をさせてるけど、ほとんど朝から晩まで家にいる。


 必然的に食べる物も同じになるので、オレ達以外では多分日本で一番いい物を食べてる可能性が。


 信長が少し羨ましそうに一益を見てる時があるくらいだ。


「いいんじゃない? うちはみんなで食べるってことで」


 もちろん下働きの擬装ロボットは、食べるふりは出来ても基本的に食事が必要ない。


 従って離れにある使用人の建屋で食事をしてることにしていて、地下の秘匿空間で月に一度ほどエネルギー補充してるけどね。


 オレとエル達と一益は食べる物は、みんな同じで家長だとか女だとか家臣だとかで区別はない。


 作るのはエルかケティだしね。


 擬装ロボットもそれなりに料理は出来るようにしてあるけど、味はエル達の方が当然ながら上なんだよ。


 武家のしきたりなんか知らん。


 まあそれはいいとして一益って独身だけど史実だと誰と結婚したか分からないんだよね。


 この時代の歴史って情報が少ないけど女性の情報はもっと少ない。


 ただもう二十歳過ぎてるし、相手探してあげた方がいいんだろうか?


 自分で見つけるっていうのも出会いの場がないしな。


 と言うかリアルでもこの時代でも結婚してなくて、 アンドロイドを嫁だと言ってるオレが他人の嫁さんの世話するのか。


 まあ仕方ないか。一益本人の意思を確認して、欲しいと言えば信長と平手政秀に相談するか。


 焦る必要は無いし自分で探すなら、それに越したこと無いけど。




「背中流しますね」


 一益が帰るとあとは風呂に入って寝るくらいなんだけど。


 実は那古屋に来て以降、オレとエル達は本当の夫婦と変わらぬ関係になっていたりする。


 津島の時はそんなことなかったし、いろいろ葛藤とかあったんだけど結果的にね。


 それと仮想空間からリアルに来た影響は、オレもアンドロイドにも地味にいろいろある。


 ただ宇宙要塞で調べた結果で一番の驚きは、有機ベースのアンドロイドは現実だと遺伝子的には生体強化された人間と近いらしく、生体強化された人間とならば子供も作れるらしい。


 調査結果では能力やタイプはアンドロイド寄りになるみたいだけど。


 ちょっとした好奇心から武士になっちゃったけど、武士だと子供作らないと周りが煩いみたいなんだよね。


 今はいいけど将来的に子供が出来ぬならばと、嫁や側室を宛がわれても困るしね。


 実際に津島や熱田の商人の何人かからは、娘を奉公にとか言い出されたし。


 最初に信長にオレ達の関係を聞かれた時に、手を出されないようにと夫婦にしちゃったのがなし崩し的にという結果だ。


 オレは悪くないはず。


 アンドロイドのみんなには、ゲーム時代からちゃんと人として愛情を持って接していたし。


 ああ余談だけど信長クラスになると、夜のお相手は普通に居るらしいね。


 勝三郎達は様々みたいだけど。


 家臣なんかが気を利かせて相手を用意してくれる人も居れば、自分で相手を見つける人も居るらしい。


 この時代の貞操観念は未来と全く違うからね。


 有名なのだと渡り巫女とかも娼婦のようなことをしてるらしいし、尼寺のような場所でそういうことをしてるとことかもあるらしい。


 戦場の乱取りとか当たり前な時代だからなぁ。


 エル達が一人で出歩くのに、周りがビックリするのも分からなくはない。



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