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歴史を変えた者達

「あれ南蛮吹きだろ? 教えて良かったのか?」


「海外への金銀の流出は早急に防ぐべきです。それに司令がいろいろ知識や情報を与えたので最早歴史通りにはなりませんよ」


「たいしたこと教えてないんだけど」


 信長はすぐに親父さんに許可を得るから準備をしておけと言い帰って行った。


 この頃の信長は本来ならば大うつけと呼ばれ馬に乗り武芸に励んでいたと言われる頃だし、お金の重要性をどこまで具体的に理解していたかは歴史からは詳しくは分からない。


 ただ史実で信長は経済面で他の戦国大名を圧倒していたようだし、オレやエルの行動は信長の歴史の歯車を一部だけ早めてしまったのかもしれない。


「しかし戦国大名なんて貧乏クジを引くだけのような気がするけどな。死に体の幕府に好き勝手してる宗教。平気で約束を破り裏切るのが当たり前の武士ってリアルに見ると史実の信長の凄さと苦労がよく分かる」


「この時代は自領と隣の領地以外は外国みたいなものですから何気なく話した当たり障りのない情報でさえ価値は計り知れませんよ」


「いっそのこと後装式の銃でも生産して渡した方が戦国時代が早く終わって結果的にはいいんじゃないのか?」


「そう上手くいきませんよ。信長様にしろ他の誰がやるにしろ安定した太平の世にするには最低限の条件として旧体制の解体と宗教勢力や農民の武装解除はさせねばなりませんから」


「オレ宗教って大嫌いなんだよね」


「心の拠り所としてはあっていいと思いますよ。ただし信仰の自由と科学を否定しない限りは」


 信長は自らの歩む道がどれほど棘の道か理解してるのだろうか。


 してないだろうな。


 



「ただいま。あらまた若様来てたの?」


「ただいま」


 夕方になるとこの日は出掛けていた一緒に暮らしている残りの二人も帰って来た。


 一人は戦闘用アンドロイドのジュリア。


 見た目は二十歳くらいでブラウンヘアの派手なお姉さんといった容姿をしているが、見た目に影響されたのか派手好きな姉御のような性格をしてる。


 もう一人は医療型アンドロイドのケティ。


 見た目は16才くらいの小柄でスレンダーな黒髪のショートヘアの無口っ子。


「ええ。もしかしたら那古屋に引っ越すことになるかもしれません」


「私は別に構わないけど武士になるの?」


「なる訳ないだろ。なる理由が全くない」


 二人は宇宙要塞から降下させた物資をいろいろ家まで運んで来た。


 悪いけどこの時代の食べ物とかあんまり美味しくないんだよね。


 特に米と調味料なんかは。


 ジュリアは少し面白そうに武士になるのかなんて聞いてくるけどその気はないね。


 信長個人は偉人になるだけの人物のようだし協力するのはいいけど、正直未来の価値観からするとこの時代は世紀末にでも思えてくる。


 史実の家康が大名や公家や寺社をガチガチに締め付けたのもこの世界から見ると理解出来なくもない。


「いっそのこと武士になって、さっさと近代化しちゃえばいいのに」


「出来なくもないけどやる理由はないよ」


 SFの宇宙要塞とその技術があれば日本一つ近代化するのはあまり難しくない。


 とはいえ自分がそこまでする理由はないんだよね。


 信長がどこまで何をするか見てみたいのはあるけど。




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