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戦の改革の第一歩

「さて問題は現状で何をするべきかだけど」


「現状の若様と織田家ではあまり派手にやるとリスクが大きいので農業や街道整備は難しく治水はまだ資金が足りません」


 信長への挨拶回りも終わり家臣一同にも手土産込みで挨拶に回った。


 形式的な挨拶であるし形式的な挨拶で返すだけでほとんど終わりだが、まあ中には嫌みを言った奴も居たけど。


 家老や重臣クラスは流石にそうおかしな対応はされなかった。


 腹の中は知らないが様子見なのだろう。


 名前を聞いても誰?と言いたくなる人物には嫌みを言った奴も居たけど相手にする気はない。


 信長や平手政秀の相手しかほとんどしてないから気付かなかったけど、この時代の人間は理解できない部分も多い。


 まああの二人を基準にしてはいけないのは挨拶回りで悟ったよ。


「消毒は早く教えて。衛生問題は致命的」


「ああ、それがありましたね。」


 信長自身があまり目立ってはいけないという制約は何気にキツい。


 今から下手に織田家全体に影響を与えると、信秀の死後に力を付けた弟の信行や親族に裏切られることになるのは厄介なんだよね。


 やるならあまり目立たないところからか。


 それと医療型アンドロイドのケティに言われるまで忘れてたけど、この時代消毒に尿を使ってるらしくエタノールによる消毒を早めに教えなくてはならない。


「いっそケティを医者としちゃうか? 応急措置とか教えて衛生兵も作った方がいいかも。」


「そうですね。現行の戦のシステムでは直接戦えぬ衛生兵の手柄をどうするかなど問題はありますが、衛生兵と輜重兵。この時代ですと荷駄隊ですか。そこは早めに改革して衛生と補給について今のうちに形を模索した方がよいでしょう。家督を継いだ後だとあれこれと煩い古参の家臣も増えますからね」


 何もかも変える必要はないけど信長に家臣が少ないうちにあまり目立たない改革はした方が無難か。


 というか煩い古参の家臣という時点でエルのこの時代の武士に対する評価が高くないのがはっきりした気がする。


 元々万能型のアンドロイドであるエルにはギャラクシー・オブ・プラネットでの副官として戦闘に関してはほとんど任せていたからね。


 宇宙戦争から惑星内での戦争まで事実上の指揮官として戦ってたんだ。


 そりゃ原始的な戦いで威張る連中の評価が高い訳がない。


 それと調べてみて分かったけどこの時代だと戦の最中の食事がまたくせ者なんだよね。


 最初の数日は自前の食料でそれから大名が出すというが、食事も個々がそれぞれに作るという効率の悪く衛生的に最悪なやり方。


「オレも戦に呼ばれるんだろうなぁ」


「生体強化されてますので負けることはないかと思いますが?」


「いや地面で寝たり汚い水で食事したりするのが嫌だ」


「ではその辺りも含めて変えていきましょう。若様ならきっとダメだとはいいませんよ」


 オレが戦に拘る最大の問題はオレが呼ばれる可能性があることだ。


 戦国時代だと文官も戦に出てたみたいだし特別免除された商人なんか以外はみんな戦に一度は出たのかもしれないけどね。


 実はオレ自身は身体を生体強化されているので、五感や身体能力的に並の人間とは全く違うけど、武芸なんて出来ないし唯一射撃がまあ得意なくらいか。


 もちろん火縄銃なんて撃ったことないから火縄銃で出来るか分からないレベルで。


 睡眠学習は始めてるけど戦闘型アンドロイドのジュリアいわくオレは戦闘のセンスがないらしいしあまり期待はしてない。


 それとついでにいえばこの生体強化って実は不老化とか病気や病に掛からない身体にも一緒にしてるんだよね。


 仮想空間からリアルに来たがその手の技術は有効らしく不老化も生きているらしい。


 十年もすれば何かしらの誤魔化す薬か年を重ねてるように見えるリアルメイクかマスクでも必要だろう。


「当面あまり遠くに戦にいく予定もないから今のうちなんだよなぁ」


 戦に関してはとにかく衛生と補給と食事を変えなくてはだめだね。


 とにかく信長が家督を継いだ時には新しい体制が出来てるようにしなくてはならないな。




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