表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
(ドラゴン)メイド喫茶にようこそ! ~異世界メイド喫茶、ボルケイノの一日~  作者: 巫 夏希
エピソード24(シーズン2 エピソード10) 『ラーメン』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
91/254

レーションよりも美味しいものを・中編

 少しして俺は二人にあるものを持って行った。


「はい、お待たせしました」


 湯気が立ち込めるその器を見て、その二人は顔を見合わせる。

 そして、俺に向かってこう言った。


「これは……ラーメン?」


 俺はそれにうなずく。


「はい。ラーメンです。とっても美味しく出来上がっていますので、熱いうちに召し上がってくださいね」

「おいおい、サリド。ラーメンだぞ、ラーメン。ちょいとびっくりじゃないか? まさかラーメンが出るなんて思いもしなかったぞ。お前だってそうだろ?」

「うん、グラム。確かにそうだね。けれど、これだけは言えるよ。そんなこと店員の前でいうんじゃねえ、品位が知れるぞ。お前仮にも貴族なんだろ?!」

「当たり前だろ、俺は貴族の息子だよ。けれど、貴族の息子でも言っていいことだってあるじゃん?」

「言っちゃダメなこともあることを覚えようぜ。さすがに一緒に居て毎回ツッコム気にもなれない」


 そんなことを言っていながらも、軽快なやり取りをしているところを見ると、どうやら二人とも仲が良いようだ。

 そうして。

 二人はほぼ同じタイミングでラーメンを啜る。別にそこまで一緒にしなくてもいいだろう、とか思いがちになるけれどきっと長い間同じ場所で過ごしてきたのだろう。同じ環境で過ごしてきた人間は、その行動も自ずと似るものだ――どこかの本で読んだことがある。きっとそういうことなのだと思う。


「……それにしても、このラーメン、とても深みがあって美味しいね。僕たちの国にもこんなラーメンは無かったし……」

「それは企業秘密です。教えてしまうと、まあ、いろいろと面倒なことがあるので」


 正確に言えば、それは俺も知らないからなのだけれど。

 味というかフレーバーというか、そういう調味料の類は、メリューさんは一切教えてくれない。ぶっちゃけ教えてくれなくてもいいといえばいいのだが、気になるときもあるし、たまにこういう風にお客さんから質問があるときに困る。まあ、メリューさんは毎回「企業秘密といえばいい」としか言わないけれど。

 企業秘密、といってもここはただの喫茶店になるわけだが。


「……いや、美味いな。こんな飯、実際に軍で出したら大変なことになるんじゃないか? きっとお代わりする人は多く出てくるだろ。リーフガットさんに食わしてやりたいくらいだぜ」

「リーフガットさんに食わして必死に説得すれば、もしかしたら可能性は生まれるかもしれないな。この美味しい食事を作ったメイドはドイツだ! って」

「はは……。残念ながら派遣はやっておりませんので」


 俺はそう言って愛想笑いをした。これもメリューさんの入れ知恵だ。このお店の味にほれ込んでくれるのは構わないのだが、たまにヘッドハンティングをしたい人が出てくる。そういう時に言う常套句が、それだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ