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(ドラゴン)メイド喫茶にようこそ! ~異世界メイド喫茶、ボルケイノの一日~  作者: 巫 夏希
エピソード43(シーズン3 エピソード14) 『お雑煮』
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鏡餅とお年玉・起

 ドラゴンメイド喫茶、ボルケイノ。

 その入り口は様々な世界の様々な場所に繋がっており、それを介して様々な世界のキャラクターが登場する、とても不思議な喫茶店だ。

 そして俺はそのドラゴンメイド喫茶で雇われマスターをしている。別に大変かといわれるとそうでもなくて、ただ暇をしている日が最近多いわけだけれど。

 そして今は年を越してお正月。俺の住む世界では一月二日。まだまだ正月モードだが、今日からボルケイノは仕事始めだ。


「そういえば、何でサクラはずっと休みなんだ? 別に休みはルーズだが、ちょっとばかし気になるな」


 メリューさんが言ったのは、昼食のカレーライスを食べ終わったそんなタイミングだった。

 それを聞いて俺は少し考えた。それはつまりメリューさんたちに『正月』について説明する必要があるわけだ。

 しかし、どうしたらいいものか。

 このまま無視してしまうのも、サクラの今後のパート生活が危うくなる。まあ、別に俺みたいにパートと学生を生業にしていて正月も仕事できるような人間でも無いわけだし、それについては別にどうだっていいのかもしれないが。


「……そういえば、サクラが『年越し』って言ってたよ? 年越しって、この前の蕎麦を食べたイベントのこと?」


 そんななか助け舟を出したのはリーサだった。リーサはカレーライスをまだ食べ終えていないらしく、スプーンを口に運んでいた。


「そうなのか? 年越しは、そういうイベントなのか。だったら一緒に来てもらってもいいのに」

「……家族と一緒に過ごしたいんでしょうね。もともと、年越しってそういうイベントですから」

「でも、ケイタ。お前は……」


 メリューさんがそこまで言ったところで、自ら手で口を覆った。


「いや、済まなかった。あまりお前の家族の話はしちゃいけないって言われていたのにな」


 メリューさんはそう言って、皿を片付けてキッチンへと戻っていった。

 別に俺の家族については話してもらって構わないのだが。……まあ、メリューさんにはメリューさんなりの考えがあるのだろう。


「年越しについて、教えてくれませんか」


 そう言ったのはウラだった。ウラはあまり話すことが少ない。だから、俺自身あまりウラが話している姿を見たことが無かった。それについて少し驚いたような表情を示していないだろうか。俺はふとそんなことを考えた。


「……どうしたのですか、ケイタさん。もしかして、あまり年越しについてご存知ないとか?」


 いや、そんなことは無い。というか何でそんなことを言い出したのか理解に苦しむ。

 取り敢えず俺の知っている『年越し』について簡単に異世界の住人に語る必要があるだろう。

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