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(ドラゴン)メイド喫茶にようこそ! ~異世界メイド喫茶、ボルケイノの一日~  作者: 巫 夏希
エピソード42(シーズン3 エピソード13) 『年越しそば』
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年越しそばリターンズ

今年も一年よろしくお願い致します!

「……なんやかんやで、まさか今年もこうなるなんてね」

「大晦日もシフト入れるのは、きっと俺くらいですからね」


 大晦日。

 一年の最後の日であり、一年の総決算をするような日である。そういえば去年もここで仕事をしていたっけなあ。その時は確かメリューさんとティアさん、それに俺だけだった。


「……あの時は、人数が少なかったんだよな……。それが今や、倍以上だもんなあ」


 俺は一年前の出来事を思い返しながら、ただコップを拭いていた。


「にしても、まさか今年もお前が『年越しそば』を作るとはな……。来年こそは、私が作らねば」

「いいんですよ、別に。いつもメリューさんに作ってもらっているんですから。こういう時くらい、俺に作らせてくださいよ」

「……うーん、そう言うなら致し方無いか」


 どうやらメリューさんは納得してくれたようだった。納得しなかったらどうしようかと一瞬思ったが、それは特に問題なかったようだ。


「さて、ちょうど出来た感じですかね」


 俺はスマートフォンを取り出して時間を確認する。なぜかというと、ボルケイノの時間軸は他の時間軸とは大きく異なる。しかしながらスマートフォンとは便利なもので、ボルケイノにいる時でも日本の時間軸を示してくれる。お陰で正しい茹で時間を示してくれる。

 ということは充電が無くなったらおしまいになってしまう。だからバッテリーは必須だ。それも五回くらい充電出来る大ボリューム。それくらいじゃないとボルケイノの業務をこなすことが出来ない。……まあ、それは言い過ぎな話かもしれないけれど。携帯の電波なんてあるはずがないから、インターネットなんて見られない。だからその機能をオフにしてしまえばいいだけの話だ。

 そばをいれて、つゆを注いでかきあげを載せれば出来上がり。それをメリューさん、ティアさん、リーサ、シュテン、ウラの目の前に差し出す。


「……これが年越しそば、というのか?」


 リーサ以下は初めての年越しそばになる。だからとても珍しいのかもしれない。

 そして、彼女たちはほぼ同時に両手を合わせて、こう言った。


「いただきます!」



 今年ももう年を越した。

 今年はいろいろ大変な年だったが、来年はどんな年になるのだろうか。そんなことに不安と期待を織り交ぜながら、俺は皆が食べ終えた年越しそばの器を洗い始めるのだった。

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