表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
(ドラゴン)メイド喫茶にようこそ! ~異世界メイド喫茶、ボルケイノの一日~  作者: 巫 夏希
エピソード37(シーズン3 エピソード8) 『あんかけスパゲッティ』
139/254

定休日のお客さん・前編

 今日は定休日。普通ならば、お休みを頂くのでボルケイノに行くことはない。

 だが、その空いているタイミングを利用して俺はカウンターで勉強をしていた。理由は単純明快――。次の試験で赤点をとると、冬休みの課題が倍になってしまうためだ……!

 そういうわけで俺は桜を呼び寄せてカウンターで勉強会と洒落込んでいたわけだ。


「だから、そこに代入しちゃいけないんだって。それをすると計算が面倒になるから、先ずは与えられた式をある程度整理しないと」

「あー、成る程。……というか、桜はほんとうに頭がいいよな……。勉強とかしているわけ?」

「そりゃあ、勿論。ここでの休憩時間にもしているし、家に帰っても毎日二時間は勉強しているわ」


 そりゃあ、成績も上位をキープしているわけだ。

 少なくとも、そんな生活俺がしてみたら一週間も持たないだろうな。


「別に勉強をするな、とは言わないが……、少しは休憩しないと、やる気が持たないぞ。どうだ、二人とも。食事にするというのは?」


 そう言ってきたのは様子を見に来たのか、カウンターにやってきていたメリューさんだった。それにしてもメリューさんは定休日でもメイド服を着ているのか。いったい何着替えを持っているのだろうか? あまり考えないほうがいいかもしれないし、本人に質問するなんてもっての外かもしれないけれど。

 メリューさんはニコニコこちらを見つめていたが、どうしてそんな表情をしているのかさっぱり理解できなかった。

 対してそれに賛同したのは桜だった。桜はシャープペンシルを置いて、伸びをすると立ち上がる。


「そうしましょうか。私、手伝いますね。あ、ケイタはあとその問題が解けるまで待っていてね。私とメリューさんで準備をするから」


 そういわれてしまったら、準備なんて手伝えるわけもなく。

 仕方なく、俺は桜から言われた宿題を片付けることにするのだった。



 ◇◇◇



 料理が出来上がったのは、それから十分くらい経過してのことだった。実際にはもう少し経過していたかもしれないけれど、実際に時計を見ながら勉強をしていたわけではないから、曖昧な時間ということになってしまう。

 ちょうど宿題が解き終わったタイミングだったので、「待っていました!」という感じだった。シャープペンシルを机に置いて、ノートと教科書を片付け始める。


「あら、ケイタ。宿題は終わったの?」

「バッチリだよ。取り敢えず、あとで見てもらっていいかな」

「いいけれど……。まあ、いいわ。取り敢えず、カウンターに置くから持って行って」


 そう言って桜はカウンターの上に大皿を置いた。それにしても大きい皿だな、いったい何をよそっているのだろうか……。そんなことを思いながら大皿を俺の前に置いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ