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(ドラゴン)メイド喫茶にようこそ! ~異世界メイド喫茶、ボルケイノの一日~  作者: 巫 夏希
エピソード33(シーズン3 エピソード4) 『あんかけカツ丼』
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夏バテ防止の秘訣・中編

 さて、カウンターに到着した俺は改めてメリューさん特性メニューを眺めることにした。

 白を基調にした丼にはご飯の上にキャベツがあり、さらにその上にロースカツが載っている。これだけを見ればただのカツ丼になるが、それでは味気ない。

 カツの上にはとろみがかった餡がかけられていた。何も入っていない餡ではなくて、短冊切りされた野菜が入っている。おそらく彩りのために入っているのだろう。そんなことを思ったが、そんなことよりも鼻腔を擽るいい香りに我慢ができない。


「いただきます」


 両手を合わせて頭を下げる。

 まずは丁寧に一切れずつ切られているカツから頂くことにして、箸でそれを掴んだ。

 そして口の中にカツを放り込んだ。

 サクッ。

 噛んだ瞬間に、衣のサクサクとした音が口の中に広がった。餡をかけているはずにも関わらず、どうしてここまでサクサクを維持しているのか。よく見てみると衣がちょっとゴツゴツしているように見える。これはもしかして……パン粉を使っていない?


「どうした、ケイタ。カツを見たままずっと考え込んで。……もしかして、なぜ衣がサクサクかということについて考えているか?」

「……ご名答ですね。いやはや、それにしてもメリューさんに隠し事は出来ませんね、これじゃ」

「何を言っているんだ。見てからにそうかと思ったぞ。まあ、別に気にしている気持ちは解る。これは揚げたばかりということもあるが、衣にコーンフレークを使っていてね、それでサクサクという感じが出ているのだろうね。……ああ、言っておくとコーンフレークは自家製だ。それに、パフェ系で使っていた量が少し余ってしまったからね、少しこちらに流用したんだよ。普段は衣には使っていない」

「……そうだったんですか?」

「見てみれば解るだろうが、ゴツゴツしているだろう、全体的に。そんな見栄えが悪いものをお客さんに出すことはできない。だから、そうなっているということだ」

「……成程。見栄えの問題だったんですね、それなら納得です」


 俺はそこで話を終了させて、改めてもう一口カツを頬張る。それにしてもサクサクがたまらない。だからといって味が染みていないかといわれるとそうでもなくて、たっぷりかかっている餡の味がしっかりしている。恐らくマキヤソースをベースにしているのだろう。そういえば昔、マキヤソースは私が作ったとかメリューさんが言っていたような気がしたので、恐らくマキヤソースがベースとなっているのは確定だと思う。

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