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(ドラゴン)メイド喫茶にようこそ! ~異世界メイド喫茶、ボルケイノの一日~  作者: 巫 夏希
エピソード30(シーズン3 エピソード1) 『かき氷』
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海の家とかき氷・4

 結局のところ、かき氷を食べた後メリューさんはどうしてもリーサのことが心配になったようで、大急ぎで戻ることになった。まあ、当然ながらかき氷のテイクアウトを所望したが、氷が主成分な以上時間に制約がかかることは当たり前のことであり、それについては致し方ないことだと思う。いつかまた全員で海に行ってかき氷を食べることができればいいのだけれど。


「……やっぱり、格別ねえ。涼しいわ。ここはこんな感じじゃないと」

「このシステム、近未来的だよな。科学ではないし……魔法だとしても、あまりにもオーバーテクノロジーすぎやしないか?」

「オーバーテクノロジーがどうかは知らないけれど、これを改造しようとしたときに通りすがりの魔法使いが改造してくれたのよ。魔力をたっぷり込めた、とか言っていたっけなあ。まあ、その人が何者か知らないけれど」


 つまり知らない人に、見ず知らずの人に店の設備を任せたというのか。メリューさんらしいといえばらしいかもしれないけれど、それってどうなんだろうか。もっと何かいい方法は見当たらなかったのだろうか。

 それはそれとして。

 結局、今の状況からしてリーサが直してしまった、ということになるのだろうけれど。リーサはこんなものをよく修理できたよな。やっぱり魔女は同じ仲間が作ったものを理解できるものなのだろうか。

 リーサが暇になってカウンターにやってきたタイミングで、俺は質問してみた。


「リーサ、修理お疲れさま。やっぱり魔法使いが作ったものだから、魔女に理解しやすい構造になっていることがあるのか?」


 ……すると、リーサは一瞬首をかしげたが、すぐに何を言っているのか理解したらしく、笑みを浮かべたのち、こう言った。


「そのことなら、どうやらこれを作ったのが私のお師匠らしいんですよ。最初はどうやれば修理できるかと思っていましたけれど、見覚えのある回路で、たぶんきっとあれはお師匠が作ったものです。身近でずっと見てきましたから。だから、解ったんですよ」


 そうして、リーサはメリューさんに呼ばれてまた厨房の奥へと消えていった。

 何というか、世間って狭いよな。

 そんなことを実感した、ある暑い夏の日の出来事だった。

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