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(ドラゴン)メイド喫茶にようこそ! ~異世界メイド喫茶、ボルケイノの一日~  作者: 巫 夏希
エピソード27(シーズン2 エピソード13)

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亜人会議 準備・後編


 グラスティア城に到着したのは、その日の夕方だった。

 とはいうものの、どうしてそんな早く着いたかということから説明したほうがいいだろう。扉を開けた先にあったのは、亜人会議が開催されるグラスティア城から一番近い町、フローリア。フローリアにボルケイノの扉を作っていたため、そこから一時間も歩けば簡単に辿り着くというはずだった。

 問題はその一時間、モンスターが出ないという想定で進んでいたことだった。


「……まさか、それほどに治安が悪くなっていたとはね」


 ボロボロにはなっていないものの、疲弊しているメリューさんは俺に語り掛けた。

 そう。仕方ないことなのかもしれないが、俺は戦闘能力がほぼ皆無と言っても過言ではない。対してメリューさんは人間時代にトレジャーハンター紛いのことをしていたためか体力も戦闘能力も秀でていた。そして、リーサは魔女。魔法を使うことで大量のモンスターを一掃することが出来る。

 とどのつまり、俺って戦闘中に必要? という考えに至ってしまうわけで――。


「気を落とすことは無いぞ、ケイタ。お前は荷物を守る役目があったのだから」


 どうやら俺が木を落としていると思ったようで――メリューさんは俺の頭をぽんぽんと撫でた。

 グラスティア城に入り、証明書を発行してもらう。これは首からカードを掲げていれば城内に自由に出入りできるカードらしく、絶対に無くしてはいけないと言われた。当たり前だ。最近はカードを無くして個人情報や会社の顧客情報流出に繋がるってメディアリテラシー……違うな、情報セキュリティだったか? まあ、名前については別にどうだっていいと思うけれど、そういう感じのお話をよく聞いているから、その意識については問題ないとおもっている。

 調理場に入ると既に具材から調理器具まですべて揃っていた。


「……すごい。流石に城の調理場と言われるだけはあるわね。ボルケイノのそれとは何倍も違う」

「そうですけれど……どれくらいの人が集まるんですか? 簡単に準備を進めるだけじゃ難しいですよね?」

「ざっと三百人くらいって聞いたな。けれど、集まるのは全員が亜人だ。亜人については知っているだろう? 私のようなドラゴンメイドだってそうだけれど、獣と人間の面を持った存在がたくさん集まってくる。このグラスティア城の主だって吸血鬼だったかな? 確か地位はそれなりに高く、今回の亜人会議の主催に至ったと言っていたな」

「結構詳しいんですね?」

「そりゃそうだ。ペンフレンドだからな」


 ペンフレンドって今日日聞かないと思うのだが。

 うん、そんなことをメリューさんに言ったところで何も変わらないし、別に真実を伝える必要も無いだろう。そう思って俺は明日の会議本番に向けていろいろと思考を巡らせ始めるのだった。





 そして、明日の亜人会議でいろいろと大変なことが起こるということに、今の俺はまだ気付かないのだった。


エピソード27 終わり

エピソード28「亜人会議・本番」に続く。

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