家族会議2
俺はこの村の農業の現状と未来についての予想を説明した。
「アムルの考えは分かったが、農業とは…
本当に大丈夫なのか?」
父の溜め息まじりの返事がかえってきた。
逆にアマレーゼ義姉さんは、先ほどと違ってホッとした様子でことの成り行きを見ている。
父親は、子供の頃に農業している祖父の苦労を見ているから、素直に賛成してくれないだろうな。
若い世代が稼ぐ方法は冒険者になるか、冒険者相手に店や物を売る以外に成功する奴いないからな。
「誰もやらないからヤルだよ。今なら教えてくれる人もいるし、作る人が居なくなってからじゃ遅いだ。
今からやっておけば後継者にもなりやすいし、農地だって見向きする人も殆どいないから、安く買えるよ。
それに、急に農業のスキルが獲得したのも、やるときは今だとお祖父さんが告げていると思うんだ。
それに、俺も農業をしてみる価値があると考えているだ。
ううん。やってみたいんだ」
情とやる気で押してみた。
「アムルはスキルがあるだから、取り敢えずはスキルがあるのを試しててみてもいいじゃないか?
商売や薬剤スキルだってあるから、何でもやるのもアリだろう。
そして、自分に合う職業を決めても遅くないだろう」
ヘルムート兄さんが無責任なのか?
よく考えているのか、勘で判断しているのかは分からない。
そう言って説得?をしてくれている。
「薬屋はレムルート兄さん達に任せた方がいいと思うよ。
レムルート兄さんは、薬剤の方はスキル持ちだけど、研究のスキルはlevel1だから、今までにみたいポーションの品質とかは上がるはずだよ」
ヨイショと有益なことも言っておこう。
「俺としては、ポーションの品質向上も大事だけど、飲みやすいのを作ってくれた方が嬉しいな」
ヘルムート兄さん。
脱線してきたよ。それはいえるけど、可愛い?弟の将来を話より大事か?
「飲みやすいポーションか!
考えてこともなかったな。
なるほど、品質良くても、飲めない時もあるかもな。傷に直接かけても効き目はあるが、飲んだ方が良く効くからな。
飲みやすいか。
面白そうだな。やってみよう」
レムルート兄さんまで…
ブツブツと独り言を言いながら、考え込んでいる。
ああなったら、もう何を言っても無駄だな。
「分かった。取り敢えずはアムルの好きなようにしなさい。
アムルはスキルが多いから、悩むこともあるだろうから、その時は父さんに相談してこい」
と父親が上手い具合に纏めてくれた。
「ありがとう。これから頑張ってみるよ。
悩んだり、分からないことがあったら、その時は頼むよ。父さん」
そう答えてたら、父親は頭を乱暴に撫でてきた。
照れ隠しかな。
こうして、俺は農業を始めることとなった。
少し遅くなりました