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死ぬ話
不案亭 落差
人は、簡単に死ぬ
どちらと言えば、合う時間が長すぎて
気付かないだけで、実は短かったりする。
[ねー大丈夫]
少女は、所々砕け散った破片で破れたジャケットの男を自分の事を確認する前に、
盲目に心配した
男は爆風に、なんとか耐えると
口の中のケーキを床に吐き捨て、煙のなかに飛び出した
そのなかで男は死んだ
彼女の腕の中でボロ切れのようなものが
虫の息で、上に向けてその乾いた唇を動かした
それは実に小さく
今にも消えそうな蝋燭のようで
男の機械仕掛けのような
生命と空しさが入れ替わる声に、耳を傾けた
その片方しかない腕の男
[おっお前、名前なんていったけっか]
それが始めて男が彼女に聞いた、彼女自身の事であった。 [終]




