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畜生変  作者: 感 嘆詩
33/37

仕様

 ムチムチが毒を食らった。


 現在の俺は、装備可と表示されたものはサイズもメチャクチャに何でも装備出来るムチムチ仕様になっているので宝箱から出たカバンを装備し、その中にムチムチを詰めて移動している。シャチの時のように。


「毒は歩かなければHP削られないのだ。だからほふく前進で良く帰還したものだ」


 そんなガバガバな解決策で今まで生きてきたのか。死ななかったのはただの幸運だぞ。


「そうだ。勇者は死なぬ。幸運だからな」


 この妄言も状態異常扱いで回復したりしないかね?




 ムチムチしか見えない地図を頼りに進む。


 ばかデカイのが出てきた。


 三面に多腕、小指と小指を結んだ独特の印。


「とらいろーきゃびじゃや、って表示されてるぞ」


 すんごい降三世夜叉明王だ。


 ゲーム的な考えで言えばフロアボスみたいなものだろうか。4体倒したら不動明王が出てくるのかね?


 ムチムチへの感電が怖いので降ろして戦いたかったが、そんな暇もない。噛みつきも歯が立たず、他の暴風やら地面耕す魔法やらも試そうとしたが発動しなかった。毒やら急所やらに食らわせないと倒せないタイプのボスですかね!?


 腕と武器の隙間を掻い潜り、逃げ道を探す。RPGみたいなムチムチの世界観に俺も否応なく引っ張られているが、コマンド戦闘にだって逃げる選択肢はあるんだ。攻撃を凌いで逃げ切る。


 しかし、回り込まれてしまった。



「パパス、あぶなーい!ぬわー!」


「ナムチ!やめ」


 カバンから飛び出し避雷針の様に相手のカミナリ攻撃から俺を庇う。無意識に手を伸ばすが無意味だった。


「・・・ャチー!!」


 後で落ち着いてからの話だが、人の死の間際に別人を思ってしまった自分を恥じた。


 炭の塊として佇むムチムチ。ボロボロとその炭化した表面が崩れ去り、


「私は死なん。勇者だからだ!」


 傷一つない素肌のムチムチが現れ、そのまま中ボスを仕留めた。どういう仕組みなんだそれ。自動で回復アイテム使って復帰するタイプのRPGなのか?

 俺では文字通り歯が立たなかった相手を一刀万殺に切り伏せ、堂々仁王立ちである。全裸で。力が抜けるよ。


「ん、私、もしかして毒を食らってるのか?すまん、やられてしまって記憶が曖昧なようだ。今私たち何してるんだ?」


 心配なことを言ってくれる。しかし、カミナリ直撃しておいてその程度で済んだのだから充分だ。お前の地図に表示されているという、状態異常を治す泉だとかへ向かえば記憶も元に戻るんじゃないか?


「泉?そんなもの見たことも聞いたこともないが」


 それも覚えてないのか。直近の記憶が飛んでしまうというやつか。心配だな。お前がフロア全体の重要ポイントが探知できるとかいう謎の巻物を手に入れて読んだんだ。


「ああ!あれか!便利なんだ。隠し部屋とかも表示されるし、モンスターがお店も開いてたりするんだぞ」


「それは記憶失くす前に聞いた。地図開いてくれ。まさかそれも抜け落ちてないだろうな」


 とりあえずカバンに戻ってくれ。あと服を着てくれ。


「ことわる!だっこしてくれ!このまま!」


 服は着てくれよ。何で服を着ないんだ。お前も。


「いや、そのカバンには入れんよ流石に。あと服は着ない」


 咄嗟にムチムチを掴もうとした時に人間形態になっていたようだ。無意識に。無意味に。


「ダンジョン潜って以来じゃないかパパスが人間モードなのは!全く心を開かん奴め!やっとか!だっこして!だっこ!だっこ!」


 急に子供にならないで。わかったから。


 ・・・コイツ、裏切るのか?ホントに?

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