ビキニアーマー
装飾過多な武器防具ばかり出てくる。
ギラついたなまくらの宝剣だったり、宝石塗れなチグハグのドレスだったり、そうかと思ったらボロボロのしかし魔法のバンダナ、であったり、小さなタンバリンから極太のレーザーがでたり、とにかく極端だった。
一見価値が低そうなものほど強い力をもつようである。さっき車輪の装飾がついた宝箱から出てきたのは、木の棒、だった。多分一番すごいんじゃないか今までで。
子供のおもちゃ箱みたいな。
と、かれこれ1ヶ月ほどダンジョンを彷徨いてる中でふと思った。
罠も敵も余裕綽々、体に染み付いた作業的に頭からシャクシャク噛っていたので、本当だったら危険なのだがついつい考える時間が増えるのだ。
ーーー子供のおもちゃ箱みたいだな。
この小部屋の、モンスターを象った装飾はひび割れておどろおどろしく見えるが、もともとは可愛い顔をしていたのではないか?キャラクター物のプラスチックボックスのような。
一つ先の木製の部屋の、車輪のような湾曲した腰掛けは、箱についているコロで、
ずいぶん前の、隠し通路があった脆い部屋は段ボールのおもちゃ箱か?あの壁の凸凹の空洞は。
あの三面六臂の赤ん坊がいた館は、多分シャチの生家を模していて、あの餓鬼のようなギョロついた化物たちのいた場所は、恐らくセガの生活に関わっていた。じゃあここは?この迷宮と呼ばれるダンジョンは何の名残だ?
ムチムチか?俺か?ガルバか?
俺ではないはずだ。耐え難い苦痛を、前世で感じたことはないはずだ。みんなと違って俺は。
いや、いや、なぜ苦痛だと思ったんだ俺は。この世界を疑っているのか?異世界転生でも何でもなく、ただ死後、地獄に落ちただけだと。
「パパスパパスー」
「・・・はいはいどうしたママス」
「ビキニアーマーをてにいれた!」
楽しそうで何よりだよ。
「おお!笑ってくれたか!よかった!!」
常に腹圧の高い女傑である。疲れないのだろうか。
「パパスの笑顔を見たら疲れが吹っ飛ぶのだ!わは!わははははははは!」
シャチのような知性の欠片も無さそうなのに、シャチのように世の中にひねていないのに、笑いかたがちょっと、似ていて困る。




