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畜生変  作者: 感 嘆詩
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ポップコーン

 ドスの利いた声が聴こえた途端、意識がはっきりと、目覚めた。

 自分の姿への疑問すら、今初めて浮かんでいる。思考まで獣になっていたらしい。


 岩だらけの川辺を飛び飛び、声の方へ走っていくと、見るからにゴブリンッ!って感じの集団ととってもエルフな感じの少女が激しい流れの中で争っていた。


「かちなぐりんぞ!?だらがッ、うらぁ!」


 声の主は少女だった。いやあ、土壇場だとこんな声もでるよな。立ち泳ぎしているゴブリンたちを溺死させようと川の中でもがいていた。助けなければいけない。もちろん美少女の方を。


 《とぷん》


 気づかれないよう、滑るように川に入る。エルフの少女ですら川底に足が着いているので、俺なんかは縮こまって移動しなければならない。目と鼻面だけ残して水中に身を沈める。鼻がすぴーすぴーと鳴って、ああ俺本当に犬になったんだなって思った。


「ぐぎゃ ゴボッ」


 一匹流されかかっているゴブリン(仮)がいたのでまずはそいつからいただいた。歯応えはないが手ごろなサイズ。おつまみにちょうどいい。

 水球選手ばりの立ち泳ぎを披露するゴブリンどもをポップコーン感覚で何度もぼりぼりやって、ようやくエルフの側まで来た。


「はーっ、はーっ、はーっ」


 息も絶え絶えだが、一匹だけ締め上げて溺死させたようだ。ぴくりとも動かないゴブリンに、気付かずに力を込め続けている。すげぇなこの子。


「ええと、大丈夫ですかね?」


「っ!言葉が解るの?」


 あ、やっぱり犬は喋らない生き物なのか。


「いやあ、これでも元人間なんだよね。生まれ変わり・・・かなあ」


 エルフは息を整え、ゴブリンから腕を離した。流される前にすかさず食べる。うん、お手頃サイズ。


「私もよ」


「えっ?」


「私も生まれ変わり。あなたと同じ」


 そう言ってエルフは笑った。いや、同じじゃないだろう。犬の化け物と美人のエルフだぞ。住む世界から違うわ。うん、そうだ。全然違う。きっと生まれ変わった理由も。


「俺が罰当たりで畜生道に入ったなら、あんたはきっと天道だな。天女さまだ」


 俺も笑ってみようとしたが、犬の顔じゃ無理だった。練習したら出来るようになれないかな。


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