表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
畜生変  作者: 感 嘆詩
10/37

メスが産まれた

「うーん、まさか出会って1週間で出産するとは思わなかったなー。ふかふかー」


 え?そういうプレイ?シャチは小型犬ちゃんをまるでお腹を痛めて産んだ子のように大事にしている。


 《がるっ ばうっ》


 小型犬ちゃんはシャチにとてもなついている。小型犬にありがちなひしゃげた鳴き声を上げているせいで嫌われていると誤解してしまいそうになるが。


「あなた、どうするの?」


「え」


「ほらー、メスが産まれたら自分が名付けるんだーって息巻いてたじゃない」


 知らねぇよ。無茶ぶりすんなよ。答えるけども。全力で応えるけども。


 《がるっ ばうっ》


「・・・ガルバ」


「わー、良かったねー。ね、ガルバ。ねー。子は親

 を選べないもんねー」


 堪える。シャチは自分の名前にコンプレックスがあるせいかとても冷たい。

 俺は獣人モードで石切りの練習に逃げた。ガルバが好奇心たっぷりの瞳でこっちを見ていた。犬同士仲良くしようぜ。くれぐれも、女王様を怒らせないようにな。俺みたいに。





「わうっ。わうっ」


 なんだこいつは。

 昨晩、宣言通り薄着を敢行したシャチを俺とガルバでサンドイッチして寝ていたはずだが、目が覚めるとちっこいコボルトがいた。顔もどこか幼い。子ボルトだ。


「匂いでわかるんでしょ?」


「うん、ちょっと質が変化しているけど、ガルバだ」


「わわうわうっ」


「お父さんの真似してみたんだねー。すごいすごい」


 真似って・・・俺は1週間かけたんだぞ。それを一晩で。天才か。娘の成長が恐ろしいぜ。


「やっぱり何でもありなんだねここ。うーん。お父さんちょっと失礼。女子会するから」


 シャチにテントから追い出される。しょうがないので石切りとダンスの練習をする。うかうかしてるとガルバが先に人間になってしまいそうだ。俺は小さなライバルとの血沸き肉踊る競争を想像し、ほくそ笑む。負けないぞ、娘よ。





「上手くいきましたね、お母さん」


「いやー、魔法が使えることが条件だったんだね。ガルバちゃんだからこそだよ」


 なんだこいつは。


「ほら、お父さんに見せつけちゃって」


「改めまして。お母さんの継承魔法でエルフになりました、ガルバです。よろしくお願いします種馬さん」


「せめてお父さんで」


「私は近親相姦の嗜好は持ち合わせておりません。これでも元成犬。私だって奥さんにして欲しいです」


「さすが私の娘。欲望に忠実だねー」


「大丈夫ですよ種馬さん。性欲の塊だったんでしょう。人間に戻れたらお母さん一筋云々なんて興奮のスパイスにしかなりませんよ」


「「イヒヒヒヒヒヒヒ」」


 ガルバはシャチから何を何処まで継承したのだろうか。全てか。女王様が二人に増えた。お父さんか。一夜の夢だったかぁ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ