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さくら咲く  作者: みほ
9/110

以前勤めていた会社は


大手だっただけあり、


もちろん海外にも支店がある。


取り引き先も海外にたくさんあったため


英語は必須だった。



新人研修で、


「英語の出来ないヤツは今すぐ手立てを考えろ!


3カ月でどうにかしてくれ。」


と宣言された。


入社試験で英語の筆記試験はあった。


そこで、ある程度できないと落とされる。


だから、あたしを含め新入社員は


そこそこ英語は出来るものがそろっていた。



あたしは・・・というと、筆記はある程度自信がある。


しかし、会話は・・・というとほぼ自信なんてない。


なぜか声が出なくなり、単語が浮かばなくなり


言いたいことなんて何も言えない。



研修では、そんなあたしの弱点が


思いっきり一喝された。


「話が出来なくて仕事になるか!


会話できるようになるか、やめるかどっちかにしろ。」


そう言われて、社会人になって初めて


悔し涙を流した。



バリバリ働く姿を思い描いて入社したけど


英語が出来ないとそれもかなわないなんて・・・


んなバカな・・・・ここは日本なのに・・・


なんて思ったけど


ここで負けるわけにはいかない。


あたしはその日の帰り、


英会話教室に申し込んで


きっちり3ヶ月後、そこそこ会話がこなせるようになった。



課長に連れられて海外出張に行ったのは


入社して半年後。


そこでは、あいさつくらいはこなせるものの


商談になると、全く歯が立たない。


10歳年上の課長が、余裕の表情で


会話をしているのを聞くと


まだまだだなぁ・・・・なんて


軽く落ち込むのだった。



「オレと張り合おうなんてまさしく10年早いよ。」


笑いながら、落ち込んだ顔のあたしに言った。


「今のオレと君が同じだけ仕事出来たら


オレの立場、ないだろ。」


そう言って慰めてくれた菊池さん。



「会話なんて、慣れだ。


どんどん会話すれば、すぐに話せるようになる。」



そして、海外出張の回を重ねるたびに


あたしは次第に英会話が上達して行った。


英会話教室の先生にも


「かなり上達しましたね。すばらしい!」


と、ほめてもらえるようになった。



菊池さんとの海外出張は、


あたしの密かな楽しみとなった。


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