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さくら咲く  作者: みほ
4/110

何カリカリしてんだか・・・・


そう思いながら、


押しつけられた紙とマジックに目をやる。



出来っこないくせに・・・


なんて余裕の顔して片桐さんが


テーブルを指差して言った。



「さぁ、書いて!」



・・・・・・・・・・・・



仕方ない・・・・・



あたしは、ため息を一つついて


一冊の新刊のPOPを書き始めた。



『絶望に打ちひしがれた主人公に、救いはあるのか?


そして予想を裏切る展開。


果たして結末は?



ほっこりしたい人にお勧めです。』



店員お勧めと小さく書いて吹き出しで囲む。


カラフルに縁取って仕上げた。



その間、約1分。



「出来ました。この新刊の分です。」



そう言い置いて、あたしは二人の前から


立ち去った。



「ウソだろ・・・・サラサラっとこんなの


何で書けんだよ。しかも、字、すんげー綺麗。」


そう言いながらも、雄輔さんは


その紙を新刊のところに貼り付けた。



「・・・・・・・・・」


片桐さん、そんなに奥歯かみしめたら


歯、折れますよ・・・



A4の書類1枚仕上げるのに比べたら


マジックで書くPOPなんて、あっという間。


ま、本は好きだから


読んでたらこのくらいは誰でも書ける。



あたしは、またいつもの仕事に戻った。




「POP書き、これから頼むな。」


その日の閉店後、


雄輔さんがあたしに言った。



「あのPOPの新刊な、いつもの売り上げの3割増しだったぞ。


すげーな。」


嬉しそうに笑顔で言う雄輔さん。



やれと言われたら、仕方ないのでやりますけど・・・


片桐さんの顔が怖いの、どうにかなりませんかね・・・


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