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年末を迎え、仕事納めの日、
あたしは菊池さんにメールを送った。
「この後ご飯でも行きませんか?久しぶりだし。」
かれこれ2カ月、二人きりで会ったことがない生活。
年末に向けて忙しかったから
正直な話クリスマスも残業だった。
せめて今日くらいは・・・と思ったから。
「6時に玄関で。」
そうメールが帰ってきて、
久々にあたしはうきうきした足取りで
待ち合わせの玄関に行った。
久々の二人きりの食事だったけど
菊池さんの表情がなぜが固い。
「何かありました?」
サラダを食べながらふと問いかけると
「あ・・別になにもない。」
と、思い出したようにフォークを握る。
変なの・・・と思いながらも食事を続けていると
「偶然ですねー。」
と、頭の上から声がした。
そこには陽太と奈々美さんが。
なんで?
「あ、課長、せっかくなのでご一緒してもいいですか?」
奈々美さんの言葉に
思わず、眉をひそめるあたし。
どう見てもデート中なんですけど・・・
菊池さんに目をやると
彼も同じように驚いていた。
「大勢のほうが楽しいですもんね。
じゃ、お言葉に甘えて♪」
陽太がどの言葉に甘えたのか知らないけど
あたしの隣に座り、
奈々美さんが菊池さんの隣に座った。
・・・・・・・・・・・・・
せっかくのデートなのに・・・
「今年も忙しかったけど何とか終わりましたねぇ。」
そう言って、グラスを掲げあたしにほほ笑む陽太。
それにつられてあたしもグラスを持ち上げた。
奈々美さんは、菊池さんの隣で
「さ、せっかくですから飲みましょ。」
なんて、やたら体を菊池さんに寄せて
楽しそうに笑ってる。
二人の勢いに押し切られたような形で
この日の食事は終わり、
「俺、送って行きますよ。同じ方向でしたよね。」
と、あたしは陽太に背中に手を添えられてた。
「ずいぶんと親しそうだな。」
菊池さんの声がやけに冷たく聞こえたのは気のせい?
「じゃ、課長、あたしたちは同じ方向なので
送ってくださいますよね。」
奈々美さんが課長の腕に自分の腕をからめる。
この時、突き離せばよかったのに
邪魔しないでと言えればよかったのに
あたしたちはどちらも
それをしなかった。
そして、それが決定的な失敗だったと知ったのは
年が明けて新年会の時。
悔やみきれない想いがあたしの中にあふれたけれど
どうしょうもない事態になっていた。




