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ホブゴブリン討伐②

ふふふ、もう今日のノルマを達成してしまった。

「デスペナ、あれは痛すぎるだろ。」


一度の死亡で三時間も能力激減はあまりにも痛い。

もしかしたらプリーストかプリーストの上位職に、蘇生の魔法があるのかもしれない。


「もしかして、ファイターなら盾でガードすればそこそこ耐えられるのか?先に突っ込んでタゲ取ってもらって、俺が周りのゴブリンを狩ってから二対一で仕留めるとか・・・。」


タゲを取るとは、ターゲットを取るの略、基本的にモンスターは一番近くのプレイヤーを狙い、一度誰かを狙ったモンスターは他の誰かから攻撃を受けるか、タゲを取ったプレイヤーが離れない限り他のプレイヤーを狙わない。

もっとも、優秀なAIを持ったモンスターもいるのかもしれないが。


「よし、土原に頼んで協力してもらおう。」


パーティープレイもオンラインゲームの醍醐味の一つだ。

自分のレベルを上げてから再挑戦してもいいが、パーティーを組んでクリアを目指す方が効率的だろう。


「明日学校で、いや、明日ログインしてたらメッセージを送ればいいか。」


ちなみに昨日の内にフレンド登録は済ませている。

フレンド登録とはその名の通り友達として登録することで、登録するとメニューにあるフレンドリストに名前が追加され、ログインしてるかどうかがわかるようになる。

「土原から一緒にやろうって誘ってきてたし、別に問題ない・・・よな。」


いくら勘違い系男子筆頭とはいえ、今回は何も勘違いしていないだろう。

クエストの誘い程度なら問題ないはず、別に気持ち悪く思われたり、引かれたりしないはずだ。


「女の子との付き合い方がわかんねえんだよな。」


年齢イコールいない歴だしな。ちくしょう。










「ホブゴブリン討伐がクリアできないんだけど、一緒にやってみない?」

「いいよー、今から南出口集合でいい?」


今日こそは憎きホブゴブリンを討伐してやる。

南出口(南街道入口とも言える)で待ってると、リムはすぐにやってきた。

なんか装備がパワーアップしてるような・・・。


「お待たせー。あ、パーティー申請するね。」

「おう。リムの装備、何か変わってないか?」


俺なんかいまだに果物ナイフなのに・・・。


「昨日クエストこなしてお金が貯まったから、剣と鎧を新調しました!」


いや、ポーズとられてもリアクションできないよ。

それに店売りの装備とはいえ、結構高かった気がするんだが。


「すげえな。今クラスレベルいくつだ?」

「ファイターのレベル8、コージは?」

「まじか!俺はまだレベル5だよ。」


デスペナであまり狩れなかったにせよ、序盤にしては結構離されている。

意外にゲーマーだったみたいだ。

「昨日ホブゴブリンにやられてさ、デスペナは全能力半減が三時間だった。」

「え!それきっついね!」

「だから、今日はやられないことを第一な。」

「了解了解、防御に専念すればそう簡単には!」

「それじゃあ、頼りにさせてもらおうかな。」

「ふふん、任せといて!」









「いやいやいや、なにあいつ。」


巨大化ゴブリンのホブゴブリンの見た目のインパクトは抜群だったようだ。


「あれを引き付けなきゃなのかー。」

「周りはささっと片付けるから、頼むぜ。」

「んー、コージ、早く助けてよー?」


あ、やばい。ちょっと、いや、かなりかわいいかも。


「任せとけって。」


集中集中、鎮まれ心のゴリラよ。


「それじゃあ、行ってきます。」


そう言うとリムは走って行った。

ファイターはレンジャーより動きが鈍く、先制攻撃とはいかなかったみたいだ。


「タゲ取ったよ!」


リムがホブゴブリンに一太刀いれ、盾で攻撃を凌いでいる。


「おら!」


リムにまとわりつくゴブリンの一体に切り付ける。

すると、リムの攻撃を受けたホブゴブリン以外はこっちに向かってきた。


「わ、わ、わ!」


リムはホブゴブリンの猛攻を盾で必死に凌いでいる。

反撃するような余裕はないみたいだ。

ゴブリンを蹴散らして、ホブゴブリンの背後にまわって、ナイフで切り付ける。分厚い筋肉に阻まれてほとんどダメージはない。

しかし、ホブゴブリンが一瞬振り返った隙にリムが斬り付けた。


「ギエェェェ!」


今度はしっかりダメージを受けたようだ。


「俺じゃあ火力不足か、それなら!」


ホブゴブリンの背後にまわって何度もナイフで切り付けると、さすがに無視できなくなってこん棒を振るってくる。

しかし、俺に気を取られるとリムに斬りつけられ、傷を深くしていく。


「スラッシュ!」


ファイターの初歩スキルのスラッシュは、大振りになるかわりに通常よりも大きなダメージを与える。

三回目のスラッシュを受けて、ようやくホブゴブリンは倒れた。


「ふう、結構手ごわかったね。」

「リムのおかげだよ。俺の攻撃全然効かないし。」

「いえいえ、私一人じゃ対応できなかったし、協力プレイの賜物ですよ?」


まあ、それもそうかもしれないし、そう言って貰えるとなんだか嬉しい。

役割は適材適所で割り振ったわけだし。


「報酬貰いにいったん戻るか。」

「うん・・・、あれ?」

「どうした?」

「いや、あれ・・・。」


リムが指差した先には宝箱があった。

どうやらホブゴブリンが消えた時に出たみたいだ。


「ゴブリン倒した時にアイテムが出たのは見たけど、宝箱は初めてだね。」


そう、今までドロップアイテムはむきだしで出てきていた。


「まあ、とりあえず開けてみるか。」

宝箱の中からは、ホブゴブリンが持っていたのと同じこん棒が出てきた。


「こん棒か。ファイターだし、リムが・・・。」

「いらない。それかっこ悪いし。」


確かにダサいデザインだけど、レアドロップかもしれないのに・・・。


「そうか?それじゃあ、とりあえず報酬貰いに帰ろうか。」


ちなみに、結局ドロップアイテム「ホブゴブリンのこん棒」は、クエスト報酬の三倍の値で店売りできて、俺達を大いに喜ばせてくれた。

レアアイテムかもしれなかったけど、リムも賛成してくれたし、俺は早く果物ナイフから卒業したかったんだ。

主人公のステータス、毎回後書きに載せるかどうか考え中・・・。

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