ホブゴブリン討伐①
定時更新しようかなって思って、日付変わるまで待つつもりだったんですが、待ち切れませんでした(笑)
一応土曜日分・・・っていう言い訳をするかもしれない・・・。
祝1000PV達成、拙い文章ですが読んでいただけて嬉しいです。
これからも頑張るんで、応援してください。
「やっぱ、最初はレベル上げからだよな。」
昨日は討伐クエストや収集クエストをこなして、大体のシステムが理解できた。やはりレベルを上げて色々な場所に行けるようになっていくのも、オンラインゲームの醍醐味だろう。
「レベル上げのついでに装備も整えたいし、討伐クエストにするか。」
今回選んだのはホブゴブリンの討伐、ゴブリンのボスを倒すクエストだ。
「ホブゴブリン討伐クエストをお願いします。」
「はい、ホブゴブリンは南の街道沿いに稀に出現します。お気をつけて。」
南の街道、昨日リムとゴブリン討伐クエストをこなした場所だ。
「昨日はホブゴブリンなんか見かけなかったけど。」
ゴブリンでも狩りながら、見つかるまでのんびり探せばいいだろう。
飛び掛かってくるゴブリンの攻撃をかわし、ナイフで切り付ける。
首筋を切り付けられたゴブリンは叫び声をあげる間もなく倒れ、煙のように消えていく。
「ゴブリンなら一撃で倒せるようになったが・・・。ホブゴブリンってのはどこにいるんだ?」
さっきから数十体のゴブリンを倒しているが、一向にホブゴブリンは現れない。
「南の街道沿いじゃあ範囲が広すぎるぞ。」
ゴブリンを倒してるとレベルが上がり、最初は2、3回攻撃しないと倒せなかったのが、頭部や首筋などの急所を攻撃すれば一撃で倒せるようになった。
「ゴブリン討伐にしとけばよかったかな。」
いちいちギルドに戻るのは面倒だが、ドロップアイテムを売るかクエストをこなさないことには、所持金もほとんど増えない。
「ギエェェェ!」
突如背後から一体のゴブリンが襲い掛かってきた。
「くそ!後ろに湧きやがったのか!」
フィールドでは倒されたモンスターはしばらくするとランダムな場所に再出現、リポップする。
今回は背後にリポップしたので、気がつくのが遅れて慌てる羽目になった。
「くそったれ!」
ゴブリンのナイフが左腕をかすめた。
ダメージはたいしたことないが、初めて攻撃を受けたことで少し焦ってしまう。
「この!」
ナイフをゴブリンの頭に突き立てると、ゴブリンは一撃で絶命した。
「たしかプレイヤーの周囲には湧かないはずだったんだが。」
これは昨日複数のプレイヤーが検証したらしい。
フィールドに数メートル間隔で散らばって辺りを監視していると、一番外側のプレイヤーだけが10メートル程度先にリポップするのを確認できたそうだ。
今日はプレイヤー間の間隔をさらに広げて、検証を続行しているらしい。
有り難い話だが、真っ当にゲームを楽しめよ、とも思ってしまう。
「もしくは後ろに湧いたから気付かなかっただけなのか。」
今日はゴブリン狩りで終わってしまうのか、そう思った時、視線の先にゴブリンの集団を見つけた。
「いや、何だよ、あれ。」
一際目立つゴブリン、普通のゴブリンは子供くらいの身長だが、集団の中心のゴブリンは身長2メートルはある。その手には巨大なこん棒が握られている。
「あれがホブゴブリンか。今の俺で勝てるのか?」
なんせチュートリアルすらこなしていないので、武器は果物ナイフ一本である。
それにホブゴブリン一体にゴブリンが五体。
今まで複数の敵を相手にしたことがないのも不安要素だ。
「一か八か、突っ込んでみるか。」
ゴブリンは一撃で倒せるのだ。囲まれないように一体ずつ確実に倒していけば、案外なんとかなるかもしれない。
「他のプレイヤーに横取りされても悔しいしな。」
男は度胸だ。いざ突貫!
一気に距離を詰めて、手前のゴブリンに切り付ける。
こっちに向き直るゴブリンたち、飛び掛かってきた一体の攻撃を避けながらナイフを走らせる。
攻撃が浅かったのか、一撃では倒せず、いまいましそうにこちらを見ている。
「ぐあっ!」
倒せなかった一体に気を取られたわずかな隙に、ホブゴブリンのこん棒が脇腹に直撃した。
「う、く・・・。」
衝撃に耐え切れず吹き飛ばされ、地面に倒れた。
一撃で体力のほとんどを持って行かれたうえに、強力な一撃をくらったせいで、視界がぼやける。
「あ、ポーション!」
慌ててポーションで回復して正面に向き直ると、こん棒が目の前に迫っていた。
「ここは・・・。」
気が付くと、ログインした時と同じ噴水の広場に立っていた。
「クエスト失敗、いや、死に戻りしただけでクエスト自体は継続中か。」
まだレベルが足りていなかったのか、ボスモンスターはパーティーで挑むべきだったのかわからないが、かなり悔しい。
「って、何だよこれ。」
デスペナルティで、全ステータス-50%になっている。
「しかも継続時間が三時間かよ。いくらなんでもデスペナ重すぎだろ。」
これじゃあ再挑戦どころか満足にゴブリン狩りすらできない。
「ちっ。大人しく収集スキルでも鍛えとくか。」
結局このあとは、ひたすら町外れで薬草を収集して終わってしまった。
いや、いいんだけどね。収集スキルのレベルも結構上がったし。
泣いてなんかいない、これは汗だ。目から流れるただの汗だ。
いや、主人公チートだったり、「俺TUEEEEE!」してるのも嫌いじゃないんですけどね。
たまにはこんな展開もいいんじゃないかなって思ったんですよね・・・。