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魔王の娘と四天王の息子  作者: アッキ@瓶の蓋。
第2話 顔芸勇者? いえ、喋れないだけです

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強者? いえ、アイテムが強いだけ

 勇者、レイン・ヘルメン。彼の力の源は特殊な能力を持った武器である。

 身体能力が10倍になる靴、『増大の靴』。無詠唱で魔法を発動出来るようになるマフラー、『宵闇のマフラー』。魔王のその身体を紙のように斬る事の出来るように藍色の魔剣、『鋼勝愛剣エゾシカ』。

 そしてその力の源である3つの武器のうちの2つ、無詠唱で魔法を発動出来るようになるマフラーと、魔王のその身体を紙のように斬る事が出来るようになる藍色の魔剣は既に彼の身体には無い。だとしても彼には幾重にも色々な武器を持っている。



 彼は身体的に優れている所は何も無い。精神的に優れている所も何も無い。運も良いとは言えないし、彼の出自に特に謎は無いし、彼が何か特殊な運命に呪われている訳でも無い。



 ただそれでも、



 彼の武器は劇的に素晴らしい物ばかりであった。



『▸A:死ね、アフロで!

  B:許せ、親友!』



 レイン・ヘルメンは腕から武器を放つ。彼の腕から放たれたのは、全体に赤い血で染まった棘が付けられたヨーヨー。名を『アフロ』と言うそのヨーヨーは、とある国に渡った際に彼が持つ事になった呪われたヨーヨー。そのヨーヨーで切り裂かれたヨーヨーは、アフロ姿になってしまう、とても呪われたヨーヨーである。



「でも、値段は高いんだよな!」



 僕、ベータは二丁拳銃を構える。そしてその二丁拳銃、『生体銃』に自身の身体に流れる氷の生体エネルギーを銃に込める。込めてその『生体銃』から氷の塊を発射する。発射された氷の塊は『アフロ』へと向かって行き、『アフロ』は氷の塊を切る。氷の塊は真っ二つになっており、その氷の塊には黒いアフロのかつらが載っていた。



「フレアインフェルノ、です!」



 パテカニア様はそう言ってその左手の上に炎の塊を作り出す。



「ダーティーブラック!」



 セドーマ様はその右腕から黒い球を作り出す。その黒い球からどす黒い墨のような液体が腕を伝って地面へと流れて行く。



「「親娘合体奥儀、闇夜の太陽!」」



 そしてパテカニア様とセドーマ様は揃って自分の手の上に作り出した球を同時に投げる。



『 A:正しい判断だね。全く、さ……。

  ▸B:君達の攻撃は正しくは無いんだよ』



 レインはそう言ってポケットから赤い水晶と黒い水晶を取り出していた。



『▸A:僕はその対処法を知っている。

  B:赤語(あかがたり)! 黒語(くろがたり)! そして全ては語られない!』



 レインは赤い水晶と黒い水晶を目の前に出す。その水晶に赤い炎の球と黒い闇の球はそれぞれ同じ色の水晶へと吸い込まれていった。



「赤い炎を吸い込む水晶、『赤晶(レッドパール)』に、黒い闇をその身に取り込む水晶、『黒晶(ブラックパール)』……。どちらも国宝と言っても可笑しくは無い水晶」



 あの2つの水晶もレインが持っているとされる国宝級の価値がある水晶。だけれども、やはり完璧な収集家だな、レインは。



 レイン・ヘルメンは少なくとも今よりも半年近く前に魔王と戦えるだけの装備を整えていた。それでも彼は万全に万全を期した。ある時は誰も近寄らないような死の海へと、ある時は極寒の寒さの地へと、ある時は闇の炎に大地を燃えつくす大地へと。彼は様々な土地に行き、様々な物を取って行ったのだ。

 それ故に彼に付けられた俗称は、『道具勇者(マテリアルヒーロー)』。武器さえなければただのどこにでも居る一人間に過ぎないが、それでもその武器達故に彼は勇者と呼ばれていた。



(確かに彼は強い。だけれども勝てない事は無い。それでも……あの武器達は魅力的だ)



 どれもが一級品。そしてその全てが素晴らしい。故にあれらを売ればかなりの値段になるはずだ。



 とは言っても、



『▸A:喰らえ、悪の華!

B:生きよ、その拳! 友のために!』



 レインはその黒い水晶、『黒水晶』から闇を放つ。そして闇は真っ直ぐに、僕達へと向かって行く。



「……ちっ!」



 僕はその闇を氷の銃で撃ち落とす。だけれども、まずはこいつを何とかしないといけないな。



『 A:さぁ、勝負を続けよう!

 ▸B:アホが見る! 天は続いて行っちゃう!』



 無駄にカッコいい顔をするレイン・ヘルメンは無駄にうざくみえた。言っている内容も内容だけにそう思ったのであった。

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