そして解説へと……
物語には様々な話がある。けれども、魔王セドーマ様と勇者達の戦いは酷かった。
まず見せ場が無い。
それに心理的状況も悪い。
全てにおいて、この戦いはあまり面白くは無い。
こっそりクローンと言うか、影武者を用意はしていたんだけれども、それを使ってこっそりと私、ガンマ・デーメオンはその物語を観察していた。それがガンマ・デーメオンの、私と言う存在だからである。
魔王と勇者との戦いを観察し、それを物語として書き記す。書き記して、書き記した物語を書物として出版したり、その戦いを参考にして次の魔王への糧とする。
魔王が勝とうが。
勇者が勝とうが。
私にはどうだって良かった。
ただただ、面白ければ良かったのだ。
皆に『愛』が芽生えるような、そんな物語が書ければ良かった。けれども、そうにはならなかった。良い物語とは言えないし、あんな短い話では『愛』はあまり生まれない。
だから、私は電気を集める。自らの力の源である電気を、我が『愛』を注いで生まれさせた眷族達に電気を集めさせる。
そうやって、集めた電気を力に変えて、もう一度やり直そう。
『愛』が生まれる、魔王と勇者の物語を!




